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[オピニオン]中国、「官報の合唱」

Posted October. 15, 2010 08:20,   

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今年9月末にソウルで開かれた韓中言論人フォーラムで、哨戒艦天安(チョンアン)沈没に関する中国人記者の発言のほとんどが「官報の合唱」だった。中国の記者は、一様に「現在まで北朝鮮の犯行という完全な証拠は出ていない」とオウムのように繰り返した。中国を代表する報道機関のある幹部は、「韓国軍が冷戦時代に埋設した機雷を、ワタリガニ漁船が触れて浮遊し、この機雷が爆発した可能性が高い」というインターネット怪談をそのまま取り上げた。中国の報道関係者の発言は、中国政府の方針から少しも外れることがなかった。シンポジウムに出席した韓国の報道関係者らは、社会主義の国営メディアの限界を痛感せざるを得なかった。

◆毛沢東時代に書記だった元共産党幹部、元人民日報社長、元新華社通信副社長など社会指導層499人が、ついに言論・出版の自由を求めた。中国の反体制民主化活動家、劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞し、知識人が少数ではあるが、良心の声を上げているのだ。彼らは、海外のインターネットに、「82年の中国憲法は、言論・出版・集会・結社・デモの自由を規定しているが、この28年間、施行されたことがない」と書き込んだ。温家宝首相が最近、数回にわたり力説した政治改革要求も、報道を妨害したと主張し、中国権力層の内部にも、見解の違いがあることが確認できる。

◆米フリーダムハウスの言論自由度評価で、09年に中国はアジア太平洋40ヵ国中37位の「自由でない国」だった(最下位は北朝鮮で、韓国は14位で「自由な国」だ)。03年、重症急性呼吸器症候群(SARS)が起こった際、政府の圧力で、中国の報道機関が2週間以上も報道できず、事態を悪化させた。国際社会の非難を受け、多少変化したようだったが、今年はじめ、インターネット検閲をめぐる「グーグル問題」で明らかになったように、中国の言論統制は変化がない。

◆言論統制社会では、創意的で批判的な思考が不可能だ。そのため、中国が模倣には強いが、先進国を追い越すほどの、革新的なテクノロジーが出るのは難しいという分析もある。事実を正確に報じ、公論の場を展開する言論の自由は、民主主義のバロメーターだ。どの国であれ、言論の自由なくして、民主主義も持続可能な繁栄も難しい。

金順徳(キム・スンドク)論説委員yuri@donga.com