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[オピニオン]フィンランド教育

Posted October. 11, 2010 04:02,   

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ノキアやサウナ、キシリトールの国、フィンランドの名を最近もっと有名にさせたのが教育だ。フィンランドは3年ごとに行われる経済協力開発機構(OECD)主催の学業習熟度を巡る国際比較(PISA)で、00年と03年、06年、3回連続してトップについた。教育界の進歩性向の関係者らと進歩教育監が就任した教育庁の公務員らが先週、大勢フィンランドを訪れた。政府傘下の韓国教育課程評価院は先月、ヨウニ・ベリエルビ・フィンランド教育研究所長を招き、「フィンランド教育政策」をテーマにフォーラムを開催した。いまや、「フィンランド教育」を巡る学習ブームが起きている。

◆フィンランドでは、幼稚園の園児には文字や数字を教えない。氷点下15度以下に下がらない限り、子供らは外で遊ばなければならない。雨が降っても例外ではない。試験や順位、水準別の需要、入試塾の無い国で、なぜこのような驚くべき学業習熟ができるのだろうか。タルヤ・ハロネン・フィンランド大統領は、「人が最大の資源だ」と強調した。国土も大きくなく、天然資源も無いフィンランドは、公教育に最優先で投資するという意味だ。

◆フィンランド教育の柱は平等教育や無償教育だ。1963年、フィンランド政府は全ての児童や生徒に対し、公立である総合学校に通うよう義務付けた。芸術英才のための数少ない私立学校はあるものの、運営費は政府が支援する。他のヨーロッパの国々が公教育の事なかれ主義を打破するため、競争概念を導入した時、フィンランドは平等教育を強化した。にもかかわらず、米紙USニューズ&ワールド・レポートは、フィンアンドを米国が最もまねすべき教育モデルに選んだ。

◆人口わずか530万人のフィンランドの教育は、個人差を配慮することで、児童生徒の潜在力を最大限引き出すことに重点をおいている。一方、人口5000万人のわが国は、競争を通じて選抜システムに慣れている。フィンランドの租税負担率は、国内総生産(GNP)の44.5%だが、我々は19.3%(10年基準)に過ぎない。フィンランドには税金を多く納めても、公正かつガラス張りに使われるだろうという国民からの信頼がある。フィンランドは成績順の競争を排除する代わりに、「昨日の私」と「今日の私」を競わせる。このような現実を度外視し、平等教育をそのまま取り入れても、韓国で成功裏に根付くのではない。フィンランド教育の上辺だけを見てはならない。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com