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米コラムニスト「ツイッター? 寄せ集めのネットワークにすぎない」

米コラムニスト「ツイッター? 寄せ集めのネットワークにすぎない」

Posted October. 06, 2010 07:57,   

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60年2月、米ノースカロライナ州グリーンスバロにある小さなレストランに、4人の黒人大学生が座っていた。「黒人お断り」と言われ、彼らは座り込みを始めた。次の日は27人、その次の日には80人、300人、600人…。レストランから動かない彼らの抗議に別の地域の学生まで加わり、参加者数は約7万人に増えた。考えが同じ大衆の参加が、黒人差別撤廃という民権運動の勝利につながった代表的な事件だ。

50年が経った今、ツイッターやフェイスブックのようなソーシャルメディアは、このような意味ある社会変化を再び引き起こすことができるだろうか。米国のベストセラー作家でコラムニストのマルコム・グラッドウェル氏の答えは「できない」だ。

グラッドウェル氏は最近、ニュース雑誌ニューヨーカーに寄稿した「小さな変化」というコラムで、「ソーシャルメディアの登場が『社会的行動主義(social activism)』を促進し、社会変革や革命を引き起こすことができるという信頼は誇張だ」と主張した。グラッドウェル氏は、ツイッターで起こっている社会参加について、「大きな危険を負う必要がなく、個人的な犠牲やコストを受ける必要もない条件でのみ、負担なく参加する程度の結束力」と指摘した。例えば、フェイスブック内の「(スーダンの紛争地域の)ダルフールを救え」サイトは、128万人の会員が登録しているが、平均寄付額は1人当たり9セントだ。

グラッドウェル氏は、「グリーンスバロの座り込み参加者は、殴られたり、逮捕されたり、さらには、銃で撃たれることを覚悟し、現場に行った人々だ。ソーシャルメディア信奉者は、このように強い結束力で結ばれた同志と面識もないネット上の知人の違いを理解できないようだ」と指摘した。

いわゆる「サイバー行動主義」で包装されたツイッターなどでの動きが、体系的な組織やリーダーシップ、戦略的思考なく起こっているという点も限界だ。グリーンスバロの座り込みの場合、キング牧師のような指導者や全国有色人種向上協会(NAACP)の訓練を受けた活動家、黒人教会が組織的に支援した。グラッドウェル氏は、「中央の権威や指導者もなく、結束力も弱い寄せ集めのネットワークで、戦略的で哲学的な決定や合意、目標の設定を期待することは難しい」と主張した。

グラッドウェル氏、09年のモルドバやイランの反政府デモを「ツイッター革命」と呼ぶことも誤りだと考えている。実際、モルドバ内部では、ツイッターユーザーはあまりいなかった。イランのデモでも、多くのツイッターの内容は、イラン語ではなく、英語での書き込みだった。グラッドウェル氏は、「イラン人の抵抗を引き出そうとするツイッターの内容が、なぜイラン人が理解できない英語で書き込みされたか考えてみなければならない。それは、現場に接近できない外信記者のためのものだった」と指摘した。

グラッドウェル氏は、ソーシャルメディアが驚くほどのスピードと効率性で、意見や情報を広める長所は認めた。しかし、「ソーシャルメディアは、社会活動家が自分の意志表示を簡単にできるようになった分、影響力の行使を一層難しくさせた」と分析した。

これに対し、ネットユーザーらは強く反発した。ニューヨーカーだけでなくエコノミスト、ガーディアンなどブログや記事のコメントには、「少数の事例を一般化した結果、ツイッターの力を看過した」、「性格が異なる2つの現象を比較している」といった批判が相次いで書き込まれた。「グラッドウェル氏への批判をツイッターに広める」という攻撃も出てきた。さらに、「スクリーンの後ろに、匿名ネットユーザーには変革の力がない」として共感する意見が対抗し、議論が熱い。



lightee@donga.com