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[オピニオン]「金(キム)チ」を巡る農政

[オピニオン]「金(キム)チ」を巡る農政

Posted October. 01, 2010 07:03,   

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一昨年は好天気に恵まれ、野菜や果物共に豊作だった。安価でみずみずしい果物や野菜が溢れ、消費者には喜ばれたが、山地では白菜や大根の価格が暴落し、収穫を諦めた農民が、畑を掘り返すほどだった。昨年も、白菜の豊作で、キムジャン(キムチの漬け込み)用の白菜の最大産地である全羅南道(チョンラナムド)では、価格暴落を懸念し、白菜の生産を減らし、キムチの消費促進イベントを行った。豊作になっても、理に叶った価格を手にできなかった農民は、腹が立つばかりだった。

◆今年は、この2年間とは様変わりしている。市場での白菜価格は、昨年の3、4倍以上に跳ね上がり、飲食店では、キムチを目にすることが難しくなっている。白菜大乱に他ならない。キムチの漬け込み騒ぎに見舞われるのではないか、気になる。政府は仲買人による買い溜めにより、野菜の価格が高騰した可能性もあると見て、取り締まりに乗り出したが、例年に比べ、白菜の生産量そのものが大幅に減少した理由が大きい。農村経済研究院は、「江原(カンウォン)の高原地帯では高温や雨による被害により、出荷量が50%以上も減少し、台風『コンパス』の影響を受け、京畿(キョンギ)や忠鋻(チュンチョン)地域からの出荷量も減少した」と分析した。価格が値上がりしても、収穫がなく、農民や仲買人共に、主婦に劣らぬほどの泣きべそをかいている。

◆野党民主党は、野菜価格の高騰原因を、主要4河川事業の工事から求めている。全賢姬(チョン・ヒョンヒ)報道官は、「異常気候のせいも大きいが、主要4河川の工事により、施設(ビニールハウス)の栽培面積が16%も減少した」と述べ、「野菜価格の高騰は、予測できたことだ」と主張した。農林水産食品部(農食品部)は4河川事業に組み込まれる野菜栽培面積は3662ヘクタールと、全国の野菜作付け面積(昨年7月基準)26万2995ヘクタールの1.4%に過ぎないと釈明した。野菜価格に影響を及ぼすほどではないという。双方の主張だけでは実状は分かりづらい。4河川周辺の耕作地での野菜生産量を具体的に明らかにし、高騰の原因をじっくり突き詰めてみるべきだ。

◆農産物価格は、需要と供給に極めて敏感であり、少しでも足りなかったり、余ったりしても価格は乱高下する。ある年の生産過剰で畑を掘り返した翌年は、栽培面積が減り、価格が高騰する悪循環は繰り返されるのがおちだ。野菜価格の高騰が、100年に1度あるかないかの異常気候のせいなら、農食品部ばかり責めるわけにもいかない。しかし、今年の白菜の生産が半分も減少し、すでにキムチは「金チ」となっているのに、農食品部は、ようやく中国産の輸入のような対策をまとめており、怠け者との批判を聞かされて当然だ。

朴永均(バク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com