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公企業監査役の天下り慣行、「公正社会」旗印の試金石に

公企業監査役の天下り慣行、「公正社会」旗印の試金石に

Posted September. 27, 2010 08:34,   

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李明博(イ・ミョンバク)大統領の国政哲学である「公正な社会」が、公共機関の監査役の「天下り慣行」を変えることができるだろうか。

政府は8月から9月にかけて、韓国ガス公社や韓国水資源公社、韓国鉄道公社、国民年金公団など、10社前後の公社や公団の常任監査役を交代させた。新たに任命された常任監査役の半数ほどは、与党ハンナラ党の幹部出身だった。今までの結果だけを見れば、「慣行は変わっていない」という表現が適切なのが現状だ。人事内容が該当公共機関別に静かに発表されたので、相次ぐ監査役の選任はメディアからそれほど注目は集めなかった。

しかし、大統領府の関係者らは、監査役選任の基準を巡って内部討論を行ったという。李大統領が公正社会を旗印に掲げた中、先の大統領選挙の時に貢献した政界の関係者らに監査役を当てるのが適切なのか、それともこれまでの慣行通りに「天下り人事」を行わざるを得ない場合、国民にどのように説明すべきなのか、だった。

討論に参加したある関係者は、「公正な社会を教科書的に全ての分野に適用するにはまだ早いという現実論が大半を占めた」と、内部の空気を伝えた。「自分の金や時間を使いながら選挙運動を行った人への配慮が必要だ」とか、「次の大統領選挙の時に、誰かの献身的な行動を引き出すためには、適切な論功行賞は不可欠だ」という見方も出たという。

大統領府のある関係者は、「政界の人物を抜擢しなければ、結局は官僚や公企業の内部人物が監査役を引き受けることになる」と言い、「内部組織への果敢なメス入れのほうがさらに難しいことも理解してほしい」として、天下り人事の必要性について触れた。

しかし、「該当分野の専門性もないのに、ただ選挙を手伝ったという理由だけで、ポストを当てる慣行が、公正な社会作りを宣言した8月の光復節(クァンボクチョル=独立記念日)の演説の後も変わらなければ困る」という意見も少なくなかったという。柳明桓(ユ・ミョンファン)前外交通商部長官の長女の特別採用問題が国民的な憤りを招いた理由を、再び考えて見なければならないという論理だった。

別の大統領府関係者は、「慣行を一度で変えることは難しいが、少なくとも変わったという信頼を国民に与えるべきだ」と言い、「天下り人事というのも結局、高官職を『特別採用』するのではないか、という世間の指摘に答えを出す必要がある」と話した。今後発表される公共機関の人事内容を巡り、該当労組や野党から攻勢をかけてくる可能性を取り上げた秘書官もいたという。

公共機関経営情報システムである「アリオ(Alio)」によると、今年10月から12月にかけて常任監査役の任期が終わる公企業や準政府機関は、101社中16社だ。また、8月と9月に監査役の任期が満了となる10社は、後任者の発表を控えている。このように、夏以降に、常任監査役の任期満了が集中しているのは、現政府発足の初年度である08年に任命された監査役らの2年間の任期が同様の時期に終わることを受けて現れた現象だ。大統領府は今年5月、公共機関運営委員会を開き、常任監査役の再任は認めないという原則を決めた。

公共機関の監査役の人事シーズンが到来し、政界周辺では「大統領府を離れたAさんは、公企業の監査役に転職する」とか、「Bさんは、大手企業に席を移す」などのうわさで持ちきりだ。大統領府内でも、「大統領府の最高職の人には、人事を頼む声が殺到しており、断るのに精一杯だ」という話が出回っている。



srkim@donga.com