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連休にも四つの門は私たちが守る、専従警備員たちが語る秋夕の思い

連休にも四つの門は私たちが守る、専従警備員たちが語る秋夕の思い

Posted September. 21, 2010 07:06,   

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旧正月連休の最終日だった2008年2月10日に起きた崇礼(スンレ)門(国宝1号)放火事件。モクモクと立ち昇る一筋の煙から始まった火事は、平穏だった世の中を一瞬にして混乱に陥れた。早くも2年7ヵ月が過ぎた。

あの事件を機に、ソウル市は市内にある23の主要文化財に専従の警備員を常駐させている。いわゆる「文化財専従警備員配置事業」だ。なかでも最重要視されているのは、興仁之(フンインジ)門、彰義(チャンウィ)門、恵化(ヘファ)門、光煕(クァンヒ)門の4大門の警備。老人雇用創出の一環として企画された事業であるため、警備員はいずれも55歳以上の高齢者だ。

今年の秋夕(チュソク=旧暦8月15日の節句)連休期間も、彼らは休みを返上した。事務所に出勤して「ソンピョン」(秋夕に作って食べるお餅)の代わりにお弁当を食べる。それでも「2年前の悪夢を繰り返さないためには、誰かがしなければならない仕事」と口を揃える。それぞれの場所で門を守る4人の警備員たちの、秋夕を迎える思いを現場で聞いた。

●家族の力

「旧正月連休の最終日にあんな形で(崇礼門が)燃えるなんて、誰も想像だにしなかったでしょう。人々が休んでいるとき、もっとしっかり警備をして次の世代に譲ってあげないと」

鍾路区清雲洞(チョンノグ・チョンウンドン)の彰義門と恵化門の警備に当たっている李ヒョグンさん(65)と金ヨンスさん(65)は共通点が多い。二人とも1945年生まれで、それぞれ鍾路警察署の防犯隊員と鍾路区役所の6級公務員を経験した元公務員だ。そしてもう一つ、門の警備の仕事をしながら、退職後に襲ったうつ症状から抜け出すことができ、新たな人生を送っている。

「四つの門のほとんどに防犯カメラが何台も設置されているけど、防犯システムだけでは行き届かないところに、私たちの手が必要とされていますね。さまざまな人たちが出入りしているので、偶発的な事件は私たちの手で防がなければなりません」

彼らの勤務は、朝6時から午後2時まで、午後2時から夜10時まで、夜10時から翌朝6までと、3組で交代している。1日8時間ずつ3日勤務して1日休む。李さんは、秋夕連休の3日間、立て続けに夜の勤務に、金さんは昼の勤務になっている。

単なる火災予防活動だけではない。救急患者が発生した場合は心肺蘇生術も施さなければならない。外国人にはガイドの役もこなす。手当は昼の勤務が3万8000ウォン、夜の勤務が5万7000ウォンだ。

家族の話を持ち出すと目頭が赤くなった。全羅南道康津(チョルラナムド・カンジン)が故郷の李さんは、「テレビで帰省する車を見ていると、親のことが思い浮かぶ」と話した。ソウル出身の金さんは「妻が『もう適当に辞めたら』と心配そうにしている。自分が世話をしなければならない、また、自分のことを思ってくれる家族がいることで元気をもらっている」と言って笑った。

●使命感

今年1月から興仁之門の警備に当たっているヨム・ウォンピョさん(64)は14日、午前勤務を終えて忠清南道錦山(チュンチョンナムド・クムサン)にあるご両親のお墓に墓参りに行って来た。今度の秋夕連休にも、普段のようにパトロールに回って、防犯カメラのレンズを拭かなければならないためだ。興仁之門の内部と周辺の清掃も仕事の一部。ヨムさんはお墓の前で、思わず「秋夕の日に来られなくて申し訳ありません」とつぶやいた。

結婚して離れて暮らしているヨムさんの二人の娘は、ヨムさんが勤務交代で、自宅で休んでいる時間に合わせてお父さんに会いに来てくれる。娘たちがソウルに住んでいるので短い時間でも会えることは何よりも嬉しい。

興仁之門は、周辺に大型市場が立地しているため、流動人口が多く、ありとあらゆるトラブルが起きる。横断歩道で信号待ちをしている人たちが日影に入ろうとして、門の周りに張り巡らせているロープを超えるたびに警報は鳴り続ける。ヨムさんは、「夏場は、夜を徹して門の隣にある芝生でお酒を飲んではガラス瓶を割ったり、乱暴を働く人たちがいて、いつも緊張して見張らなければならない」と苦情を漏らした。

昨年3月から光煕門の警備をしている金グァンウンさん(66)も、連休期間中は夜11時から翌朝までの勤務が続く。金さんは、「肉体的にはきついけど、夜になると光煕門がライトアップされるので、楼閣の美しい光景を楽しみながら凌いでいる」と語った。

それからもう一つある。「国の貴重な文化財を守ることだ。これだけ遣り甲斐のある仕事はないと考えている。誰にでもできることではない。使命感を持って仕事に励んでいると、連休に休めなくても、自ずと元気が出る」。



bsism@donga.com jjj@donga.com