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[オピニオン]中国の知る権利

Posted September. 08, 2010 07:28,   

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「6・4事件って何ですか」。2年前、中国のあるネットユーザーが、中国の代表的なポータルサイトのバイドゥにこのような質問を書き込んだ。6・4事件とは、89年6月4日に発生した「天安門事件」をいう。その年の5月、100万人が天安門広場で『民主主義』を叫んだ。中国にもついに民主化の春が訪れると期待する世界の人々は少なくなかった。しかし、6月3日夜、軍は戦車を使って流血鎮圧に出た。中国では関連単語はタブー視されている。6・4事件を尋ねるインターネットの質問に、「答える人がいるかどうか」というコメントが書き込まれた。

◆中国の胡錦濤・国家主席が6日、広東省深圳市の「経済特区指定30周年記念式」で、「改革開放30年の成果を継続するために、政治体制の改革と民主的改革が必要だ」と強調したという報道があった。「人民の知る権利と参政権、表現の自由と監督権限を保障するには、民主的な選挙と政策決定、民主的な管理と監督を実現しなければならない」ということだ。世界第2位の経済大国に浮上した中国が、いよいよ政治的民主化に進むのか、期待されるのは当然だ。

◆胡主席が演説で強調したことは、社会主義的民主主義だ。演説文には、「社会主義」という単語が29回、「中国の特色ある社会主義」が9回出てくる。胡主席が主張したのは、頳小平が78年の改革開放宣言とともに、共産党一党独裁の下で市場経済を追求する「中国の特色ある社会主義」であって、私たちが知っている自由民主主義ではない。「中国の特色ある社会主義」は、胡主席が07年の第17回中国共産党全国代表大会の時も言及している。

◆人権団体「ヒューマン・ライト・ウォッチ」は、今年の初めに報告書で、「現在、監獄に入っている中国のメディア関係者は28人だ。中国の報道機関や3億3800万のネットユーザーは、国家の恣意的な検閲の中にある」と明らかにした。最近、米国で出た中国共産党の関連本『党』は、「共産党は生存のために何でもするが、すべては秘密にされている」と分析した。中国では、人民の知る権利も共産党が許可する限界の中だけで、そして共産党内でのみ可能ということだ。経済的に跳躍する中国がいつまで人民の政治的自由を抑えつけることができるのか、共産党の官僚も分からないだろう。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com