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[社説]法と原則が特権や反則に勝ってこそ「公正な社会」

[社説]法と原則が特権や反則に勝ってこそ「公正な社会」

Posted September. 07, 2010 03:20,   

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外交通商部(外交部)が特別採用公募に応募した柳明桓(ユ・ミョンファン)長官の娘を合格させようと取り計らった事実が6日、行政安全部監査の結果、確認された。外交部は、修士号保持者で外交部の勤務経歴とTEPS試験の成績だけしかない柳長官の娘に有利なように応募基準と法令を勝手に変えた。自由貿易協定(FTA)担当公務員を採用するうえで、業務との関連性が高い弁護士資格は応募基準から外された。採点基準も曖昧で、5人の審査委員のうち外交部職員2人がつけた点数が、2位と1位の順位を変えた。国際的な業務能力と専門性を備えた人を採用しなければならないのに、過去の封建時代の蔭叙のような縁故採用ショーが起こったのだ。このようなあきれた縁故採用は外交部だけのことではないだろう。

金滉植(キム・ファンシク)監査院長は、「6・2地方選挙後、自治体首長らの無理な人事手段として縁故採用が利用されたのではないか疑われる」として、中央政府だけでなく地方自治体の人事不正まで特別監査する計画を明らかにした。一部の地方自治体の周辺では、選挙に貢献した人物の子弟を縁故採用したり、金を受け取って技能職の職員に採用しているといううわさが絶えなかった。今回を機に、監査院が目を光らせて、地方自治体の採用不正を抜本的に根絶しなければならない。

監査院は、「神の職場」とされる公企業でも、このような構造的な採用不正がなかったか調べる必要がある。天文学的な負債を抱えている土地住宅公社の場合、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代にノサモ会員たちの多くが採用されたと言われている。

元最高裁判事の金監査院長が、「法と原則を確立し、誰にでも同じように適用される社会が公正な社会だ」と言ったことの意味は小さくない。法と原則はすべての国民に公平に適用されなければならない。法と原則が特権と反則に勝つ社会が公正な社会だ。金監査院長が、公正な社会の3要素として、「国民皆に同等な機会が与えられ、法と原則に則って自由に競争して勝敗を分け、落伍したり競争に参加できない事情があった人々を国家・社会が配慮すること」を挙げた。外交部の縁故採用は、国民に同等な機会を与えず、法と原則に則って自由に勝敗を決めることもなかった。金監査院長が提示した3つの要素のうち2つの要素が特権と反則によって崩れたのだ。

公職社会が過去の惰性のまま国民にだけ「公正な社会」を要求するなら、80年代の「正義社会の実現」のような虚しいスローガンで終わることが憂慮される。公職社会が範となり、自己犠牲を示すことが何よりも重要だ。