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[社説]111日ぶりに再訪中した金総書記、差し迫った裏事情は?

[社説]111日ぶりに再訪中した金総書記、差し迫った裏事情は?

Posted August. 27, 2010 05:27,   

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北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が26日未明、専用列車で吉林省・集安を経由して電撃的に中国を訪問していたことが明らかになり、北朝鮮側にどんな「差し迫った事情」があったのかに注目が集まっている。金総書記の訪中は00年以降6回目となるが、今年5月3日から7日まで、胡錦涛・国家主席の招請で訪問して以来111日ぶりのことで、短期間での異例の再訪問だ。過去、金総書記が最短期間で中国を再訪問したのは01年1月の8ヵ月ぶりだった。

現在平壌(ピョンヤン)には、カーター元米大統領が事実上、金総書記の招請で北朝鮮に抑留されている米国人、ゴメス氏の釈放のために滞在している。このような状況下で金総書記が中国を電撃的に訪問したのは、後継体制に絡み重大な状況が発生したためである可能性が高いと、北朝鮮専門家たちは見ている。9月初め、44年ぶりに開催される労働党代表者会議を通じて三男のキム・ジョンウン氏への世襲を公式化するにあたって、中国側と協議しなければならない問題が発生した可能性があるという解釈だ。天安(チョンアン)艦事件以降、国際社会から圧力を受けているなかで、突破口を見出す必要があるうえ、最近の水害や経済悪化で中国の大規模の経済支援が求めるために行った可能性もある。

最近の韓半島を取り巻く周辺情勢は極めて流動的だ。中国と北朝鮮は天安艦事件による緊張局面を、20ヵ月も中断したままの6者協議の再開で切り抜けようとする動きを見せてきた。武大偉・6者協議中国側首席代表は先週の訪朝に続いて、昨日ソウル入りした。北朝鮮の6者協議再開への意思を伝え、韓国側の意向を打診し、仲裁を取り持つためと見られる。韓国政府は最近、「天安艦に対する謝罪と反省が6者協議再開の前提条件ではない」との立場を示し、6者協議再開に対する立場に変化があるのではないかという観測を生んだ。

カーター氏の訪朝が、米政府の特使としてではなく、抑留中の米国人の釈放のためだとはいえ、北朝鮮と米国がメッセージを交わした可能性はある。しかし韓米両国は「会談のための会談」には反対しており、米政府は「同じ馬を二度買うことはない」との立場を明確にしているだけに、核問題や天安艦事件に対する北朝鮮の画期的な態度の変化がない限り、局面打開は望めそうにない。中国と北朝鮮は、この点をはっきりと認識する必要がある。

政府は、金総書記の訪中と中国の6者協議再開に向けた外交活動、米朝関係の変化可能性などを注視しながら、対北朝鮮政策の原則と一貫性を堅持する必要がある。