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[オピニオン]「幸せな国」

Posted July. 23, 2010 08:37,   

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季節労働者として生活し、独特の哲学世界を構築したドイツ系米国人の社会哲学者、エリック・ホッファー(1902〜1983)は、「幸福の探求こそ不幸の重要な原因の一つだ」と言った。幸せという感じすら忘れる時が、最も幸せな瞬間だという米クレアモント大学のミハイル・チクセントミハイ教授の診断も同じ脈絡だろう。努力して望みを手に入れたとしても、満足感は一時的なものにすぎず、永遠の幸福はなさそうだ。

◆世論調査機関ギャラップが、155ヵ国を対象に「世界で最も幸せな国」を調査した結果、デンマークが1位となった。フィンランド2位、ノルウェー3位、スウェーデンとオランダがともに4位となり、北欧諸国が上位を占めた。韓国の幸福度のランクは56位だった。韓国は、とても幸せでも、不幸でもなかった。米国は14位になり、比較的幸せな国に選ばれたが、日本(81位)と中国(125位)は韓国よりも低かった。

◆国家の幸福度指数は、構成員の主観的な要素が作用する可能性が高い。否定的な人生観を持つ国民が多い国では、幸福度指数が低く現われるだろう。しかし、大きな傾向は存在する。戦争中なら、国民が幸せでないことは明らかだ。所得水準とも相関関係がある。所得が多ければ幸福度指数も上がる比例関係は、所得が一定水準を越えれば大きな影響を及ぼさない。民主主義と幸福との関係を研究してきた米ミシガン大学のロナルド・イングルハート教授は、民主主義が幸福を増進させるのではないと分析する。硬直した体制だった旧ソ連と民主化した現在のロシアを比較すると、現在のロシア国民が感じる幸福感が低く現われる事実がその例だ。しかし、国民が幸せな国は、民主的な国に変貌する可能性が高まると同教授は指摘する。

◆所得水準が異なる韓国、中国、日本の幸福度のランキングが低いのは、アジア国家の文化的特性と関係がありそうだ。東アジア文化圏は、個人的な満足よりも、社会的な義務遂行と集団を強調する傾向がある。個人に対する社会的圧力が大きな国では、幸福は後方に追いやられることになる。それでも北東アジア3国の中で韓国の順位が相対的に高いのは、韓国人が健康やダイエットなど、個人的な幸福追求に積極的な姿勢を見せ始めたという意味だろう。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員shchung@donga.com