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[社説] 運転文化は後進社会

Posted July. 05, 2010 03:55,   

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24人の死傷者を出した仁川(インチョン)大橋付近の高速バス墜落事故は、運転手の不注意がもたらした惨事だった。小型乗用車がエンジンの故障で道路に停車し、1トン貨物トラックが追い越した。その後ろを走っていた高速バスは、避けようとして急にハンドルを切ったため、橋の下に落下した。昼の時間帯で天気や道路の事情も良かったのに、大事故が起きた。

故障のために車を道路に停車する時は、昼間は後方100メートル、夜は後方200メートルの地点に安全三脚台を置かなければならない。乗用車の運転手はこの規定を守らず、車両を20分間、放置した。そうだとしても、貨物トラックの運転手が運転にもう少し注意し、高速バスの運転手が十分な車間距離を保っていたなら、事故を防げただろう。

仁川大橋株式会社と警察が、故障した車をすぐに発見して適切な措置を取っていたなら、という残念さも残る。事故地点は、料金所からわずか500メートル離れた距離だったが、誰も届け出なかった。ガードレールがしっかりしていたなら、高速バスの墜落を防げたかもしれない。後進的な交通文化が合作した大事故だ。

韓国は、世界13位の経済力を誇るが、交通文化に関する限り、まだ後進国の水準を抜け出せていない。07年を基準に、自動車1万台当たりの交通事故の死亡者は3.1人で、経済協力開発機構(OECD)29ヵ国の平均1.5人より2倍以上も多い。交通事故によって発生する費用が年間14兆ウォン(05年、GDP1.8%)にのぼっている。自動車は急激に増えたが、交通秩序と安全運転のルールを守る意識が伴っていないためだ。

政府は08年、「交通事故死傷者の半減」を国政課題に定め、総合対策をつくって施行中だが、成果が上がっていない。基本的に、交通安全に対する国民意識が変わらなければ、「百年河清(いくら待っても望みがかなわないこと)」だ。車を運転することはできるが、交通法規や安全規則を軽く考える運転手が多い。車両の点検は、歩行者と運転手の安全のための基本事項であるにもかかわらず、疎かにする。交通安全関連の施設も、先進国に比べて不足している。

「生計型」だからと言って交通法規違反者に対して無分別な恩赦をすることも、法秩序と交通安全に対する警戒心を下げる要因だ。恩赦後1、2年の間に交通事故の件数と死亡者が増えるという分析もある。安全に対する国民の意識変化と法秩序の厳格な適用が伴ってこそ、交通事故を減らすことができる。