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フェアリングとロケット分離がカギ 「今度こそ宇宙の便りを」

フェアリングとロケット分離がカギ 「今度こそ宇宙の便りを」

Posted June. 09, 2010 07:52,   

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9日、再び宇宙の扉を叩く宇宙ロケット「羅老(ナロ)」号(KSLV-I)の成功の可能性はいかほどか。昨年8月の1回目の打ち上げでは、フェアリング(衛星保護カバー)の分離以外の過程は成功だったと、韓国航空宇宙研究院は評価している。

今回の2回目の打ち上げでは、「100点の成功」を収めることができるだろうか。成功と失敗を分ける主要要素を検討した。

●1・2段エンジンの正常な稼動が最重要

1957〜2003年の間に、世界的にロケットの打ち上げに失敗した回数は198件。このうち、エンジンの異常が131件(66.2%)で最も多い。羅老号が成功するためにも、1段目と2段目のエンジンの正常な作動が最も重要だ。羅老号は、ロシアの1段目の液体エンジンと国内で開発した2段目の固体エンジンでできている。

1段目のエンジンは、昨年の打ち上げで性能が認められた。延世(ヨンセ)大学機械工学科の尹雄燮(ユン・ウンソプ)教授は、「羅老号の1段目のエンジンは、ロシアが91年から野心的に開発している次世代ロケット『アンガラ』に使用する種類だ。ソユーズに取って代わるほど性能が優れ、安定的だ」と話した。エンジンの爆発も、可能性は低いが無視できない要素だ。

国内の技術で作った2段目ロケットも概ね優秀だと、専門家たちは評価している。韓国は70年代から、固体燃料を使用するロケットを開発してきた。93年と97年に打ち上げたKSR-IとKSR-IIの推進力は約10トンに達しており、推進力が7トンの2段目ロケットの安全性には、大きな問題はないという。

●要となるフェアリングの分離

今回の2回目の打ち上げでは、フェアリングの正常分離が最も大きな関心事だ。昨年の1回目の打ち上げ当時、片方のフェアリングは、離陸後3分36秒(216秒)で正常に分離したが、もう片方は、4分24秒(264秒)がさらに経過した後に分離した。330キログラムのフェアリングの片方をつけて飛んだ2段目のロケットは、重心位置がずれ、目標軌道の高度306キロメートルを大きく外れ、失敗した。

フェアリングと1段目のロケットの分離は、電気信号で行われる。爆発物が入っている特殊ボルトが爆発し、スプリングがはじけるようにフェアリングを引き離す方式だ。この時、電気信号が弱ければ、特殊ボルトが爆発せず、フェアリングは分離されない。

●1段と2段、50万分の1秒で分離

1段目と2段目の分離も、羅老号打ち上げの成否を分ける鍵だ。1段目のエンジンが停止し、3秒後に1段目と2段目ロケットを連結しているボルト4本が爆発して、1段目と2段目のロケットが分離する。この時、50万分の1秒内に分離が行われれば、2段目のロケットは軌道から外れない。

仁荷(インハ)大学機械航空工学部の慮泰成(ノ・テソン)教授は、「羅老号の1段目と2段目が分離する時、ロケットは音速よりも速いスピードで飛行している。不安定な環境のため、リスクが大きい」と話した。2段目と衛星の分離は、すでに軌道に乗った状態で行われるため、相対的に安定的だ。

●無視できない伏兵、ソフトウェアの誤謬

羅老号の飛行と誘導制御装置、内部測定装置などのシステムの正常稼動も重要だ。システムの欠陥は、ロケットの異常飛行につながる。欧州の宇宙ロケット・アーリアン5号は96年、内部のプログラムの異常で、地球の上空4キロメートルの地点で軌道を離脱した。

尹雄燮教授は、「独自で開発した打ち上げ統制プログラムは、1回目の打ち上げで性能が認められている。模擬環境と実際の飛行環境は大きく異ならないため、今回も問題はないだろう」と指摘した。

●天候も助けなければ

打ち上げ当日、稲妻を受けて羅老号が空中爆発する可能性はほぼない。気象庁は、9日の大気は安定し、夕立や落雷が発生する確率は低いと予想した。

朝鮮(チョソン)大学航空宇宙工学科の孔昌徳(コン・チャンドク)教授(韓国航空宇宙学会長)は、「羅老号の打ち上げ日は天候が良く、気象の環境によるリスクはないだろう。すでに、半分の成功を収めており、不十分な点を補完したので、今回の打ち上げは成功するだろう」と期待を示した。



uneasy75@donga.com xrockism@donga.com