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[社説]政府は革新派教育監らとポピュリズムを競い合おうとしているのか

[社説]政府は革新派教育監らとポピュリズムを競い合おうとしているのか

Posted June. 07, 2010 08:23,   

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教育課程評価院が11学年度、大学修学能力試験(修能)の数理領域で、教育放送(EBS)教材から、数字だけを変えた問題を出題し、外国語領域では教材の文章をそのまま引用した問題を、3問以上出題すると発表した。李明博(イ・ミョンバク)政府の至上課題である私教育取締りの一環とはいうものの、否定的な波及効果が余りにも大きいものと予想される。

暗記した知識の代わりに、創意力を問い、間違えないスキールの代わりに、深みのある思考力を評価する世界的な傾向とは相反する教育だ。弁別力が弱まれば、上位圏生徒らが被害をこうむることになり、公平性の問題も持ち上がることになる。EBS問題を言葉だけ取り替えて出題することになれば、私教育は減るだろうという見方も短見である。EBS教材を解く課外がすでに生じている。EBS教材でないところから出題される問題に、私教育が集中する可能性も高い。李明博政府が革新派教育監らと教育ポピュリズムを競い合う様子をみせている。

政府は、私教育を取り締まりに傾ける努力の10分の1だけでも公教育の中身の強化に傾けているのか、自問してほしい。教育当局が今やらなければならないことは、私教育では育成できない創意力や思考力を、公教育を通じてどのように育成し、測定するかについて研究し、その結果を出すことである。EBS教材を、「修能の予想問題集」にする教育は、私教育に劣らぬほど、公教育に害を及ぼすことになるだろう。

6・2統一地方選挙を通じ、全国6ヵ所で、無償給食を主要公約に掲げた革新派の教育監らが当選した。彼らは、政府が学校自主性の強化のために推進した教育政策にブレーキをかける動きを見せている。郭魯鍱(クァク・ノヒョン)ソウル市教育監当選者は、李政府が撲滅に乗り出した外国語高校を完全に廃止したり、一般高校へと転換する公約を掲げたことがある。郭氏は、指定条件や関係法令を違反する自律型私立高校の指定を取り消す案も示唆した。しかし、関係法令には、指定後5年間は取り消すことができないように定められている。教育監の性向によって教育政策が左右されるのは、学校や生徒らに対し、混乱や被害を与える仕打ちである。李政府が私教育との戦いを名分にエリート教育を弱体化させ、革新派教育監らは、さらに一歩進んで、止めを刺している。

革新派の教育監らが掲げる教育格差の解消は、方向性だけきちんと定めれば、よい効果を収めることもできる。郭氏が示唆した学校群見直しも必要だと思う。しかし、教育格差の解決方法は、先をリードする人々の足を引っ張ることでなく、遅れを取っている子供らを後で力強く押すことになるべきだ。