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[オピニオン]グーグルテレビの革命

Posted May. 24, 2010 07:58,   

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1928年、音声と映像を結合したテレビの登場は、世界の人々に大きな衝撃を与えた。1954年、1台のテレビがソウル鍾路(チョンの)・普信閣(ボシンガク)の家電製品販売店に展示された時、村の年寄りたちはテレビの中に、本当に人が住んでいると思った。1961年、国営放送のKBSが登場し、お茶の間劇場時代が幕開けした。「メディアはメッセージ」というカナダ人ジャーナリストのマーシャル・マクルーハンの命題を借りれば、テレビこそ「目」という感覚器官を世界に拡大することで、世界観に変化を起こした発明品だ。

◆テレビは、テレビ局が提供する番組を、視聴者に見させる。白黒がカラーに、アナログがデジタルに、ブラウン管テレビがフラットテレビに進化しても変わらない事実だった。座ってみるテレビが、携帯向けDMB(日本のワンセグ)に変わっても同様だった。今回、グーグル社がテレビのリモコンに語りかければ、番組が現れる新たなレベルのテレビを披露した。強力なグーグル検索機能や数万個のアプリケーションを駆動できるアンドロイド応用プログラムを結合したテレビである。グーグルテレビが普及すれば、テレビ局中心のテレビ市場は、視聴者優位に変わる革命的な変化が予想される。

◆国内企業各社が有線に重点をおいた閉鎖的インターネット環境に閉じこもっている間、アップルやグーグルは、無線インターネットに基づいたスマートフォンを発売し、世界市場を掌握した。米国で、アップル社のタブレットパソコンであるiPadは品切れ現象が起き、お金を上乗せして払っても手にできない。わが国は通信会社とテレビ局との利害争いにより、ネットに基盤を置くIPテレビすら定着していない現状の中、遠く離れたところで新天地を作ってしまったグーグルテレビを、手を拱いてみるしかないのか。

◆最近、ネットユーザーらの間では、iPadか、それともパソコンかを巡り、議論が盛んに行われている。iPadがどれだけ新しいレベルの機器であり、そのような論争まで起きているだろうか。グーグルテレビも果たしてテレビなのか、それともパソコンなのか、なかなか分からない。従来の考え方では、見分けがつかない革新的製品であることだけは確かだ。21世紀に我々を食べさせる事業分野も、従来のパラダイムを乗り越える発想があってこそ、見つけ出すことができる。グーグルのアンドロイドフォンは台湾企業のHTCが作り、グーグルテレビは日本のソニーが製作する。グーグルが持っているのは奇抜な想像力に基づいた新たなビジネスモデルだ。我が企業各社は、グーグルやアップルの想像力に決して追いつくことはできないだろうか。技術力の最高境地は想像力という気がする。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com