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乳幼児を巡る「過度な予防接種」のブーム

乳幼児を巡る「過度な予防接種」のブーム

Posted May. 22, 2010 08:07,   

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生後15ヶ月の息子を持つ会社員の金某さん(35・女)はこれまで、子供の予防接種費用だけで100万ウォン以上を使った。個人病院での8つの必須接種に加え、肺球菌や脳髄膜炎、A型肝炎、ロタウイルスのワクチンまで、子供に接種させた。肺炎予防向け肺球菌ワクチンは10万ウォンずつで4回、脳髄膜炎のワクチンは4万ウォンずつで4回、腸炎を予防するロタウイルスのワクチンは、10万ウォンずつで3回を接種させた。金さんは、「病院で高価なワクチンだけ選んで接種させれば、300万ウォンがかかるという話も聞いた」とし、「うちの子は一人息子なので、健康には特に気をつけているが、『そんなものを接種させなくても、健康に育つ』と主張する母と口げんかをしている」と話した。

●保健所への偏見が高費用を招く

最近の若者夫婦の間では、「予防接種ブーム」が起きている。政府は、B型肝炎や小児麻痺など、8種類を必須予防接種項目と分類し、無償で接種を行っている。しかし、若い夫婦らは、子供に肺炎や腸炎の予防注射まで摂取させようと、民間病院で保険が適用されないワクチンを接種させるため、100万〜200万ウォンを使っている。それに、小さい時に接種する程よいと言われている子宮頸がんの予防ワクチンまで接種すれば、60万ウォンが追加される。

予防接種コストが多くかかるのは、必須接種までを全て民間病院を行おうとする雰囲気のためだ。保健所では、必須接種8種、計22回が全て無料だ。民間病院では保険の適用を受けても50万ウォン程度かかる。オンライン上では、「保健所のワクチンは、一般病院のそれより効き目が落ちる」という内容から、「保健所の薬は、中国製の安価なものだ」などの根拠のないうわさが出回っている。疾病管理本部の関係者は、「00年以降、各保健所もワクチン専用冷蔵庫を備えて、衛生的に接種を行っている」とし、「3〜6ヶ月ごとに、薬の調達を受けるので、新鮮なワクチンが提供される」と説明した。

何の根拠無しに安全な保健所には目をそらし、高額の民間病院での接種を選ぶのは、行き過ぎだという指摘もある。21ヶ月の娘を抱えている金某さん(31・女)は、「6ヶ月間、予防接種費だけで、毎月30万ウォン以上を使った」とし、「第1子のときは、よく分からず、民間病院だけを訪れた」と話した。

●先進諸国の子供らは皆、接種を受けるのに…

専門家らは、「ワクチンを接種しても悪くはないが、かかる確率の低い病気までに、過度に備える必要はない」とアドバイスする。国ごとの環境や人種的特性により、同じ病気でも発生確率が違うと言う。疾病管理本部の関係者は、「欧州では、脳髄膜炎を予防するヒブ(Hib)ワクチンを多く接種するが、国内では、発病が稀で、必須接種には含まれていない」と説明した。逆に、国内では必須となっている腸チフスや日本脳炎、結核のワクチンなどは、外国ではほとんど接種を行っていない傾向だ。

国民健康保険公団が経営する一山(イルサン)病院・小児青少年科のチャン・グァンチョン教授は、「肺球菌や脳髄膜炎は、6、7歳以後の発病率が極めて低いため、6、7歳以後はワクチンを接種する必要がほとんどない」と話した。

ただ、共働き世帯が増え、乳幼児らも保育所などでの団体生活が多いなどの環境変化を考慮し、必須接種の項目を増やすべきだという主張もある。原子力病院・小児青少年科の金ドンホ専門医は、「費用負担の高い病気の場合、国がより積極的に介入し、接種を行う必要がある」と主張した。保健福祉部は、「最近、流行しているA型肝炎のように、国民が必ず接種を受けなければならないと判断されるワクチンは、必須項目に追加する案を検討している」と明らかにした。



jhk85@donga.com