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[オピニオン]借金の仕返し

Posted May. 10, 2010 08:03,   

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「黄色い道が二手に分かれています」と始まる詩、「選ばなかった道」で有名な米詩人、ロバート・フロストは、借金について真剣に考えてみるべき警句を残した。彼は、「借金がどれだけ妙な才能を施しても、自分が出した損失を穴埋めせずにはいられない」と語った。英国人ジャーナリスト、ウィリアム・リスモーガーなどが共同著述した「大変革」という本の中には、「全てのものにはその代価があり、全ての請求書は払わされることになる。歴史的に、借金を繰り返しながらそれを返そうとしなかった試みは全て、涙で終焉を迎えた」というくだりがある。個人であれ国であれ、「借金の仕返し」から自由ではいられない。

◆ギリシャなど、欧州発財政危機が、グローバル金融不安へと広まっている。危機の震源地である欧州主要証券市場を始め、米国や日本、中国など、世界各国が連日、株価暴落に苦しまれている。韓国証券市場も、総合株価指数(コスピ)が1700ポイントを再度割り込み、外国人らによる大幅な売り越しを記録するなど、不安な様相を示している。08年9月、米国系投資銀行「リーマンブラザーズ」の破産が引き金となったグローバル金融危機から抜け出し、回復の勢いを見せていたグローバル金融市場や実体経済が再び墜落する「二番底」を懸念する声も強まっている。

◆今回、金融不安を招いた決定的要因は、「借金の仕返し」だった。08年、グローバル経済危機の克服に向け、世界各国は財政赤字を伴う大規模な景気刺激策を展開し、これを受け、財政健全性の悪化への懸念が再び金融不安へと繋がった。今年、危機が始まった欧州、特に南欧は、「大きな政府」やポピュリズム(大衆迎合主義)政策により、経済規模比国家負債や財政赤字の比率が、一段と高い国々だった。

◆韓国は、欧州や米国、日本などに比べれば、財政は割合健全な方だが、安心できる水準ではない。政府や地方自治体、政界は、今回の事態を教訓に、財政管理の重要性を再び考えてみる必要がある。「金のなる木」、すなわち、財物が尽きずに生じて使っても使ってもなくならないという宝物は、世界のどこにもない。外部変数の不確実性が高まっただけに、金利引き上げの問題にもさらに慎重にアプローチするのが望ましい。今、金利引き上げに踏み切れば、国内金融不安を一段とあおり、実体経済にまで致命的な衝撃を与えかねない。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com