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[オピニオン]アテネのデモ群衆

Posted May. 03, 2010 05:39,   

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事実上、債務不履行に陥り、国外に手を広げているギリシャで、連日大規模なデモが起こっている。アテネの市民数万人はメーデーの1日、アテネ都心の国会議事堂前広場に集まり、緊縮財政案を抗議した。2大労総の公共労組連盟と労働者総連盟は、5日から同時ストに突入する。欧州連合(EU)と国際通貨基金が救済の条件として、財政規模を縮小し、年金を減らすよう要求すると、労働組合を中心にギリシャ国民が反発しているのだ。

◆アテネのデモの群衆を見つめる欧州諸国は冷ややかだ。欧州諸国の目に、ギリシャは分不相応に金を使って滅びた破産者にすぎない。引退を遅らせ、節約する欧州諸国の人々に、ギリシャの無節制は度を越えたものだった。AP通信は、蟻のように節約するよりも「ゾルバ」のように人生を楽しみ消費する文化のため、ギリシャの貯蓄率が欧州の平均よりも低いと指摘した。英国BBC放送は、ギリシャのパパンドレウ首相を行く先を見失った「ホメロス」、破局の危険に直面した現在の状況を「ギリシャの悲劇」にたとえた。ギリシャ国民が必至になっても、数学者ピタゴラスにも頭の痛い複雑な財政数値を理解することは難しいと皮肉った。

◆00年に欧州連合に加盟したギリシャは、当時、加盟条件を満たせていないという理由で何度も加盟が否決された。ギリシャ政府は財政赤字を減らすと約束し、辛うじて加盟することができた。しかし、ドイツのメルケル首相は先月、「00年にギリシャを加盟させた決定は失敗だった」と批判した。加盟10年後にギリシャが経済危機の震源地となり、欧州の頭痛の種に転落したのだ。

◆アテネの民主主義は、民主政治の理想郷だった。文章よりも直接対話することに高い価値を感じたアテネの人々は、代議制よりも直接民主主義を選んだ。しかし、少数の市民だけが参加することができた。哲学者プラトンは、直接民主主義を嫌悪した。直接民主主義が深刻なポピュリズムに陥ったためだ。まさにポピュリズムのために、民主主義の元祖であるアテネが欧州の癌のような存在として嘲弄される境遇となった。6・2地方選挙を控えた与野党の政治家たちは、ギリシャのポピュリズムを反面教師とすべきではなかろうか。

朴永均(パク・ヨンギュン)論説委員parkyk@donga.com