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体質化した財政赤字、ユーロ導入で機を逸した 南欧PIGSの連鎖破綻

体質化した財政赤字、ユーロ導入で機を逸した 南欧PIGSの連鎖破綻

Posted April. 30, 2010 02:57,   

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●非効率が体質化した社会

昨年末をベースにPIGS諸国の国内総生産(GDP)比の財政赤字の割合は、ギリシャが13.6%で最も高く、スペイン(11.2%)、ポルトガル(9.4%)、イタリア(5.3%)が順に続いた。

過度な財政赤字のため、国家破綻まで憂慮する声が大きくなったが、PIGS諸国の財政赤字問題が浮上したのは初めてではない。1992年のギリシャとイタリアの財政赤字の割合は、すでにその時点で10%を超えていた。スペインとポルトガルは、これよりいい水準だったが、以後増加し続け、1993年には7%台となった。アジア諸国が通貨危機に見舞われていた1998年には、かえって赤字幅が減ったが、その後再び急増し、今の状況に至った。

公共部門の改革に失敗したのが破綻の根本的な原因だ。09年10月政権に就いたギリシャの社会党政権は、公営企業の労働者の賃金アップを約束した。政府支出の4分の1を占める公営企業の人件費のため、財政赤字が雪だるまのように膨らんだ。先月23日、東亜(トンア)日報の取材チームが訪問したギリシャのアテネ市のエルム通りで展開されたデモは、このような非効率の典型事例となっている。国営航空会社だったオリンピック航空で解雇された従業員300人余りは、「年金に手をつけてはならない」という掛け声をかけていた。スペイン、ポルトガルなども、強硬派労組が公営企業の改革の足を引っ張っている。

裏経済の規模が大きすぎるため、財政赤字が深刻化したという指摘の声を横目に、裏資金を表経済に還流する措置はあまり功を奏していなかった。ギリシャの監査院は、07年に税金の徴収漏れが310億ユーロ(45兆8800億ウォン)に上るものと推定していた。ギリシャは、とくに観光と海運業の比重が高すぎるため、世界経済が不況に陥れば、大きな打撃を被るだろうという警告の声が上がっていたが、製造業の比重を高める産業の構造調整は行われなかった。

●金融危機がPIGS悲劇の引き金

PIGS諸国にもチャンスはあった。1999年にEU単一通貨のユーロが導入される前に、自主的に為替レート政策を実施することができた。これを通じ、産業の構造調整に踏み切り、自国の経済力に見合う通貨価値を維持したならば、経常収支を改善し、財政赤字を減らすことができたはずだ。ところが、投機筋に外為市場の主導権を奪われ、経常収支の赤字規模は改善できずにいた。

ユーロの導入後、EUの域内単一通貨政策が実施され、輸出を通じて財政赤字問題を解決できる道はほとんど閉ざされた。産業競争力が低下しているにもかかわらず、ドイツ、フランスなどの大国並に通貨価値を上方修正(為替レートは下方修正)していたため、経常収支の赤字幅はさらに膨らんだ。実際、スペインのGDP比経常収支の赤字の割合は、ユーロの導入前である1994〜98年には、平均0.7%台だったが、1999〜07年には5.5%と急増している。富裕国と貧困国を問わず、いずれも画一的な為替レートを適用した結果だ。

自国経済の体質改善に失敗し、準備ができていない状態で単一通貨体制入りした矢先の08年に見舞われた金融危機は、大多数のPIGS諸国にとっては悪夢だった。今にもつぶれそうな金融会社を救済するために、政府にできることはせいぜい公的資金をつぎ込む程度だ。スペインは、貯蓄銀行の倒産を防ぐため、財政負担が膨らんでおり、政府保証の割合がGDPの15%台を上回っている。

韓国は昨年、財政赤字の割合が4.1%で、PIGS諸国に比べるとかなり良好な財政状況だ。ただ、09年の公企業23社の負債総額が、08年に比べて36兆1000億ウォン(20.4%)も増えているなど、増加速度が問題だ。個人と企業など、民間部門の負債が危険な水準にまで膨らんでいる状況下で、非政府部門の負債を政府が肩代わりすることになる可能性も排除できない。政府と民間部門の負債を総合的に管理し、危機を水際で防がなければならないという指摘も出ている。



legman@donga.com lovesong@donga.com