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[オピニオン]海外患者の誘致合戦

Posted April. 27, 2010 06:25,   

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アジアの病院に関するクイズだ。①結合双生児の分離手術で有名な病院は?②150ヵ国から年間30万人以上の海外患者が訪問する病院は?③世界の385病院と遠隔診療体制を備え、業務をワンストップで処理できる病院は?問①の正解(シンガポールのラプルズ病院)を当てるだけで精一杯だろう。都心の真ん中にあるラプルズ病院は、病院のにおいがしない上、ロビーにはピアノの旋律が響く。患者が、受付窓口を探しに病院内を歩き回る必要もない。さらに外国人専用のクリニックが運営されている。

◆問②の正解は、タイ・バンコクのバムルンラード総合病院(Bumrungrad Hospital)だ。02年、アジアに先駆けJCI認証を獲得した。JCIとは、米国の医療機関評価専門の非営利法人であるJCAHDが、優秀な会議病院に与える認証だ。同認証を獲得した東南アジア病院は、タイに6、シンガポールに15、インドに13の病院がある。韓国では延世(ヨンセ)大学付属のセブランス病院、高麗(コリョ)大学付属の安岩(アナム)病院、和順郡(ファスングン)の全南(チョンナム)大学付属病院の3ヵ所だけだ。問題③は、インドのアポロ病院だ。米国で2万ドルかかる治療を4500万ドルさえ支払えば、受けられるため、往復航空料3000ドルを負担しても費用が少なくて済む。

◆韓国の会計コンサルティンググループKPMGさムジョン経済研究院が、昨年出版した「医療戦争」という本に出る東南アジアの病院を事例に韓国の病院が、肩身が狭くなる恐れもある。この本は、これから国家間、大陸間に医療のボーダーレス化が進み、医療消費者らの大移動が始まり、東南アジアを中心に医療業界間競争の激化に拍車がかかるものと予想される。にもかかわらず、韓国は海外病院の国内参入を認めるかどうか、営利病院制度を取り入れるかどうかなどを巡り、10年間も決着のつかない論争に終始している。外国人患者に対する医療観光ビザは、昨年5月になってようやく開始された。

◆もはや、外国人患者の誘致に本腰を入れない国はまれだ。日本も韓国に立ち向かうため、医療ビザ発給制度を新設し、滞在期間を増やし、病院の信頼度を高めるため、政府認証を導入する方策を視野に入れている。韓国、日本、中国は、遅ればせながら医療観光に着目している。これから、シンガポール、タイと患者の誘致合戦が必至だ。市場が急成長する遠隔診療(U−ヘルスケア)部門の競争は、一層激化する見通しだ。1983年、アポロ病院を創立したプラトップC.レディ博士は、医療観光の収益で貧困層向けの医療支援も施す。「韓国のレディ博士」は、今どこにいるのだろうか。

洪権熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com