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[オピニオン]青少年の「人間性麻痺」の犯罪行為

[オピニオン]青少年の「人間性麻痺」の犯罪行為

Posted April. 23, 2010 02:24,   

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ソウル江西区傍花洞(カンソグ・パンファドン)の集合住宅で先週、火事が発生し、76人が避難する騒ぎが起きた。適時に消化できなかったら、住宅全体が燃え尽きるところだった。放火だった。犯人は18歳の少年2人。中学校の同級生だった彼らは警察で、「火事が起きれば、どのように燃えるのかが見たくて火をつけた」と供述した。同じ日、釜山(ブサン)では一人の中学生が、注目を集めようと、13階のマンションからレンガを落としたところ、ちょうどマンションの歌壇にいた女子中学生に当たり、重態にさせた。単なる思春期の行動とは受け止められない、深刻な犯罪行為である。

◆遊び半分で、あるいは好奇心から行う行動が、人命を失わせたり、大惨事へと繋がりかねない。体の負傷はもとより、被害者には消すことのできない精神的傷を残す恐れもある。今年2月、中高校生らの卒業式後の裸の儀式は、「世代の違い」と軽く見過ごすレベルをとうに超えている。今回は、極端な「誕生日パーティー」の写真が物議をかもしている。20代の若者らが、軍入隊を控えた友人の誕生日パーティーにかこつけて、友人の性器を露出させ、肛門に異物を差し込んだ後に写真を撮り、自分のブログに掲載した。

◆衝動的かつ気難しく、気まぐれな青少年期を「疾風怒濤の時期」とも言う。青少年らに「理由無き反抗」をまねく原因として、かつては性ホルモンの働きや過度な社会的タブーを取り上げた。最近の脳科学は、新たな理論を示している。青少年の脳は、感覚をつかさどる辺縁系は発達しているが、判断力をつかさどる前前頭葉は未熟な状態だという。青少年らは、音楽を聴きながら、自分も知らないうちに体を揺さぶり、呼び鈴の音さえしても、ドアの方に首を回すが、これは感覚が発達しているためであり、一方、前前頭葉はより遅れて発達し、道徳的な省察能力は落ちるという意味だ。しかし、果たしてそれだけなのだろうか。

◆誰もが成長過程のなかで、青少年期を経ることになるが、最近の青少年の犯罪行為がひどくなったのは、教育の現実とは無縁ではなさそうだ。成績に重点をおいた入試制度から来る勉強へのストレスは激しく、学校や家庭での人性教育は物足りない。幼稚園の時から、市民の責任や倫理をきちんと教えなければならない。地域社会やメディアの役割も重要だ。しかし、家庭教育ほど重要なものはないだろう。人としての完成度は、自分や周辺の人間性に大きな影響を及ぼすことになる。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com