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未曾有の火山灰の大乱、主犯は「氷河」

Posted April. 21, 2010 02:59,   

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欧州全域の航空機を1週間も足止めしているエイヤフィアトラヨークトル氷河の火山の名前は、アイスランド語で、「島から離れた氷河」という意味だ。火山は、その名にふさわしく、氷河を突き抜け噴火した。ところが、火山の専門家らは、「氷河がなかったら、被害はこれほどまでには大きくならなかっただろう」とし、「氷河のせいで、火山が凶暴になった」と口をそろえた。

事実、エイヤフィアトラヨークトル氷河の火山マグマは、粘性の低い玄武岩の成分からなっている。マグマの粘性が低ければ、火山活動が起きた時は爆発するかのように噴出するよりは、水のように地面に沿って流れる。爆発力が低いため、火山灰も多くは発生しない。釜山(ブサン)大学・地球科学教育科の尹成孝(ユン・ソンヒョ)教授は、「穏やかな玄武岩質のマグマが、氷河と混ざり爆発力が増大し、火山灰も多くなった」と主張した。

火山の爆発力に影響を及ぼす要因には水がある。水はマグマと混ざると、高温度により水蒸気に変化する。マグマに含まれている水蒸気は、圧力の低い地表に露出される瞬間、急激に膨れ上がる。そのため、マグマに少しの水が混ざっても、地面に噴出されれば、ポップコーンのように、同時多発的に強力にはじき出されることになる。

エイヤフィアトラヨークトル氷河の火山マグマは、氷河により膨大な量の水が混ざることになった。尹教授は、「大量の水が、1200度を超える高温のマグマと混ざり、瞬く間に水蒸気へと変化した」とし、「その結果、火山灰を上空10キロ以上の高さまで飛ばすほど、火山の爆発力は強くなった」と語った。

氷河は、欧州の空全体を覆う量の火山灰を作ることにも一役買った。玄武岩質のマグマの大半は、長距離を流れながら、濟州島(チェジュド)でよく見かける黒く、穴の開いた石として固まる。しかし、冷たい氷河と混ざると、急激に冷え込み、粒子が固まる前にそのまま硬くなる。そのため、直径が2ミリを満たない火山灰が、大量に作られることになる。尹教授は、「広い面積を覆うほどの石が、粉となって天上に上がったのと同様だ」と説明した。

エイヤフィアトラヨークトル氷河の火山は20日、火山灰の噴出が止まり、玄武岩質のマグマの本来の特性通り、液体に近いマグマが流れている。韓国地質資源研究院・地質調査研究室のファン・ジェハ責任研究員は、「噴火口周辺の氷河はすでに水蒸気へと変化し、これ以上流入される水がないためだ」と説明した。

しかし、エイヤフィアトラヨークトル氷河の周辺地域で、また火山活動が起きれば、大量の火山灰は再び空に向かって噴出されかねない。ファン研究員は、「アイスランドは、地殻に隙間ができる海底山脈上にあり、火山活動が頻繁に起きている」とし、「今回の火山活動の影響を受け、従来の火山が再び爆発したり、新しい火山ができる可能性がある」と明らかにした。

気象庁は19日、「エイヤフィアトラヨークトル氷河の火山活動によって作られた火山灰は、23〜27日に韓半島の上空を通る可能性がある」としながらも、「欧州に幅広く広まりつつある上、気流がゆっくり移動しているため、韓半島には大した影響は及ぼさないだろう」と発表した。



jermes@donga.com