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鉄鉱石価格が急騰、「アイアンフレーション」の到来か

鉄鉱石価格が急騰、「アイアンフレーション」の到来か

Posted April. 02, 2010 07:17,   

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鉄鉱石や有煙炭など、鉄鋼原料価格の急騰を受け、産業界に「鉄鋼発インフレーション」への懸念が広がっている。鉄鋼材はよく「産業のお米」と呼ばれるほど、ほとんど全ての産業で原材料として使われている。特に、造船、自動車、建設など鉄鋼の需要が高い産業では鉄鋼価格の引き上げはそのまま収益性の悪化につながる可能性が高い。

1日、鉄鋼業界などによると、ポスコ(POSCO)は鉄鉱石生産3大メジャーの一つ、ブラジルのバレ・ド・リオドセ社と今年の輸入価格交渉を通じて、第2四半期(4〜6月)の導入価格について、昨年より90%近く値上がりした1トン当たり100〜150ドルで暫定締結したという。これは原材料価格が急騰した08年度の導入価格よりも高い価格だ。交渉が難航したため、ポスコとバレは4月から入ってくる鉄鉱石にとりあえずこの値段を適用し、最終の輸入価格に対しては合意の上で清算するという方針を立てた。

また、バレ側は今回の交渉で、これまで年単位で決めていた鉄鉱石の導入価格を3ヵ月単位に変更することを要求した。新日本製鉄など日本の鉄鋼会社は既にバレなどメジャー原料メーカーの要求を受け入れ、鉄鉱石の導入価格を3ヵ月ごとに決めることに合意している。

知識経済部の李スンウ鉄鋼化学課長は、「1年単位で価格を決めて導入してきたのを3ヵ月単位に変えるようになると、その分、鉄鋼製品の価格変動性が大きくなる。高炉メーカーも長期的な需給戦略を樹立するのが困難だろう」と話した。

鉄鋼生産の主な原料の中の一つである有煙炭価格も大幅に値上がりした。ポスコは最近、主要供給会社と有煙炭の一種の強粘炭の価格を昨年より約55%値上がりした1トン当たり200ドルに導入することで合意した上、価格交渉も1年から3ヵ月単位で行うことにした。鉄鉱石の価格上昇によって、スクラップ(くず鉄)の価格も昨年より約46%値上がりした。現代(ヒョンデ)製鉄や東部(トンブ)製鉄などスクラップを使う国内の鉄鋼メーカーは最近、相次いで鉄筋や熱延鋼板、冷延鋼板などの関連製品の価格を軒並み引き上げた。

鉄鉱石や有煙炭価格が急騰するのは、経済危機以降、世界的に鉄鋼の需要が大きく伸びている半面、鉄鉱石メーカーは世界同時不況の危機を乗り切るため、廃業や生産削減などに踏み切り、生産量を急速に拡大することができない状況であるためだ。つまり需給の不均衡が深刻化しているという状況である。「ブラックホール」のように中国とインドが鉄鋼需要を吸い込んでいるのも一役買ったと分析される。

このような中で、産業界の視線は国内の鉄鋼製品の価格基準を決めるポスコが、いつ、どれほど製品価格を引き上げるかに集中されている。ある鉄鋼業界の関係者は、「ポスコが昨年引き下げた価格を回復させるためでも、30%程度は値上げすると見ている」と話した。大信(テシン)証券のムン・ジョンオプ鉄鋼担当アナリストは、「人件費など、他の条件が一緒だとしても、鉄鉱石価格の引き上げによる原価負担に耐えるには、ポスコが熱延製品の基準を19%以上の価格引き上げに乗り出すのではないか」と予想した。

これに対してポスコ側は、「導入価格の交渉が終わっていない状況で製品価格をすぐ引き上げたりするようなことはない」としながらも、「内部的に価格引き上げを慎重に検討している段階」と説明した。

鉄鋼発インフレーションが本格化する場合、真っ先に打撃を被る業種は造船業という見方が多い。原価構造で厚板(船舶用によく使われる板材料)が占める割合が20〜30%と高い上、最近造船業の景気が低迷しているからである。



tesomiom@donga.com sukim@donga.com