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選挙シーズンの度に「渡り鳥論議」、分別のない韓国政治

選挙シーズンの度に「渡り鳥論議」、分別のない韓国政治

Posted March. 17, 2010 08:29,   

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選挙シーズンになれば登場する「新党結成ラッシュ」と「渡り鳥行脚」が、6・2地方選挙を控え、再び繰り返されている。政策やビジョンもなく、ただ当選さえすればいいという政界の商術が生んだ韓国政治の旧態が、またも登場したのだ。

今年1月29日、慮武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の精神継承を掲げて「国民参加党」が結成したのを皮切りに、沈大平(シム・デピョン)議員の「国民中心連合」と韓和甲(ハン・ファカプ)元民主党代表の「平和民主党」が、それぞれ結成を控えている。国民中心連合は忠清(チュンチョン)圏を、平和民主党は全羅(チョンラ)圏をそれぞれ基盤として地方選挙に飛び込む準備をしている。現在、中央選挙管理委員会に登録された政党は計18党で、結党準備に入った政党まで合わせれば、26党にのぼる。

選挙を狙った新党結成ブームは、政界ではお馴染みの風景だ。08年の総選挙では、ハンナラ党の公認に落ちた人々が「親朴連帯」を作った。親朴連帯は、今回の地方選挙を前に「未来希望連帯」に衣替えした。06年の地方選挙の直前には国民中心党が、04年の総選挙前にはヨルリン・ウリ党が結成された。

このように、選挙シーズンになれば新党ブームが吹くのは、「落ち穂拾い」を狙ったものだと分析される。選挙公認で起きる既存政党の隙を狙って、政治的「パイ」を拡大できるためだ。また、にわか作りの新党は、その後、既存政党との買収合併(M&A)を通じて、政治的取り分を得るのではないかという見方も多い。野党では、発足して3ヵ月も経たない国民中心連合が、今後民主党と政治交渉に入るといううわさが広がっている。党の政治綱領、政策を掲げて、国民に審判を仰ぐという政党政治の大原則は、すでに失われて久しい。

新党結成ラッシュは、「渡り鳥論議」とコインの裏表だ。ハンナラ党は15日、慮武鉉政府時代のウリ党の人々を「専門家の擁立」と大々的に広報し、彼らを今回の地方選挙で戦略的に公認する予定だ。民主党は、セクハラの前歴がある無所属の禹瑾敏(ウ・グンミン)済州(チェジュ)知事を復党させたが、激しい逆風を受けている。

事実、与野党執行部の「理念のない擁立」は、党のアイデンティティを傷つけるという政党政治の大原則に反するだけでなく、現実的にもマイナスだ。

西江(ソガン)大学現代政治研究所のハン・ジョンテク研究員が、06年の地方選挙の再当選率を分析した結果、党籍を変えた地方自治体首長候補57人のうち21人(36.8%)だけが再当選した。いっぽう、党籍を維持した立候補者の当選率は101人中91人で、90.1%に達した。

第14代から第18代国会の総選挙に出馬した現職議員904人のうち、党籍を変えて出馬した191人の再当選率は39.8%(76人)だった。党籍を変更せずに出馬した議員(713人)の当選率(66.2%)に大きく及ばない数値だった。党籍変更論議に包まれた人の成績表が良くないことが立証されたのだ。

各政党は、地方選挙の票心を捉えるために、誇大なスローガンを掲げている。しかし、にわか作りの政党の乱発と「渡り鳥」論議は、韓国政治の後進性を端的に示している。誇大なスローガンよりも素朴な第一歩がないのが残念だ。