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[社説]6・2地方選挙を控え、亡国的地域感情を煽ってはいけない

[社説]6・2地方選挙を控え、亡国的地域感情を煽ってはいけない

Posted March. 06, 2010 09:24,   

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6・2地方選挙がまだ本格的に幕を上げてもいないのに、すでに地域感情を助長するような兆しがあちこちでうかがえる。ただでさえ今回の地方選挙では、世宗(セジョン)市問題が懸案となっており、いつになく地域主義が激しく現れることが憂慮される。最近、ある地方新聞に報じられた大統領府関係者の「大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンプクト)発言」と関連して一部で見られる反応もそのうちの一つだ。最初からこのようでは、選挙戦が加熱すれば、どんな奇怪なことが起こるか心配だ。

大統領府関係者の発言と関連して、当事者や大統領府は、報道内容を否定している。発言の真偽や真意もまだ明らかでない状況だ。公人として誤解を生み素地を提供したことはもちろん間違いだった。しかし、一部地域と政界で、「大邱・慶北住民をさげすんだ」とか、「先端医療複合団地の選定に疑惑がある」といったように政治攻勢をかけるのは正しくない。選挙シーズンに地域感情を煽ることに利用しようという意図なら、止めたほうがいい。

巷には、李明博(イ・ミョンバク)政府になって、国税庁の税務調査が慶尚道(キョンサンド)の企業に集中しているといううわさも広まっているという。国税庁が、うわさを払拭するために、「定期的に法人税税務調査の対象を選定する際、企業の規模別、地域別にバランスをもって選定している」と説明すべきであった。釜山(プサン)・慶尚南道(キョンサンナムド)地域では、現政権の人事と関連して、疎外論を主張する声まで出ているという。選挙の度に起こる特定地域の冷遇論や優遇論は、一部候補が地域感情を煽って、簡単に当選しようとする戦術と関係がある。

地域感情は、ブラックホールのようなもので、すべてのイシューを吸い込んでしまう。政策、人物、ビジョンは跡形もない。ただ、地域を基準に敵味方が存在するだけだ。80〜90年代には、大統領候補がライバル候補の地元で遊説することすらまともにできないほどひどかった。特定地域に政治的基盤を置く3金時代の終末とともに多少和らぐかに見えたが、06年の地方選挙と08年の総選挙も、その亡霊が再びよみがえり、全国をかき回した。

地域感情とそれに基づく地域主義は、選挙で票心を歪曲するだけでなく、国民的対立を触発する悪性の「引火物質」だ。国民統合、国家の先進化、正しい選挙文化の定着のためには、亡国的地域感情をこの地から根絶やしにしなければならない。今回の地方選挙では、地域主義と地域感情の扇動が再びかま首をもたげないように、国民皆が監視員になる必要がある。もし、地域感情に依存して票を得ようとする政治家や政党があるなら、有権者が率先して退出させなければならない。