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児童に対する性犯罪に甘い判決乱発、間違った量刑基準に誤った判決も

児童に対する性犯罪に甘い判決乱発、間違った量刑基準に誤った判決も

Posted February. 18, 2010 08:48,   

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8歳の女の子に残酷な性的暴行を加えた、いわゆる「ナヨンイ事件」で児童への性的犯罪者は厳しく罰せられるべきだという世論が高まったが、現場の裁判所では、誤った量刑基準案で、法定量刑より軽い刑を言い渡す事例が相次いだことが、最高裁量刑委員会・専門委員団による自主調査の結果、明らかになった。また、一部の裁判部は、特別な理由無しに、量刑基準に従わず、軽い刑の判決を言い渡したり、量刑決定の過程すら判決文に書かなかったりしたことが明らかになった。

●誤った量刑基準で、軽い処罰が相次ぐ

量刑委・専門委員団がまとめた内部報告書は、昨年7月に実施された児童性犯罪を巡る量刑基準案で、「偽計(人を騙したり誘惑する行為)や威力(力を持って被害者を抑える行為)を使用した場合」を、量刑減軽の理由に認めているのは、法的根拠がなく、違法なことだと指摘した。刑法や性的暴力犯罪処罰及び被害者保護法などで、偽計や威力を使用した性的暴行やわいせつ行為に対しては、法定量刑以上を判決するよう明記しているにも関わらず、これを減軽要素とするのは問題があるという。

地方のある裁判所は、学校の教室や図書館などで、Aさん(9)など自分のクラスの児童2人に対し、強制わいせつ行為を行った容疑(性的暴力犯罪処罰法違反)で起訴された教師のチャン某被告に対し、昨年12月、懲役1年6ヵ月の判決を言い渡した。チャン被告の犯罪に該当する法廷刑(懲役3年以上)より軽い刑の判決を言い渡したのだ。このように刑が軽かったのは、裁判部が量刑基準案に基づき、「暴行・脅迫でない偽計・威力を使用した場合」という点を掲げ、量刑基準上の減軽区間(懲役1〜3年)を選択後、犯行回数の多いことを考慮し、最終的に勧告量刑区間を、懲役1年〜5年6ヵ月(勧告量刑の上限+上限の2分の1+上限の3分の1)と決めたためだ。誤った量刑基準のため、違法判決が行われたことになる。

量刑委の報告書によると、「ナヨンイ事件」で批判の世論が高まった昨年11月と12月に、チャン氏事件のように、法定刑より軽い刑の判決が言い渡された事例は、ソウル中央地裁や大邱(テグ)地裁、水原(スウォン)地裁、大田(テジョン)地裁、瑞山(ソサン)支部などでもあった。

「偽計・威力を使用した場合」を、暴行・脅迫を使用したことにより、強圧のレベルが低いと見て、特別減軽の要素と認めること自体、児童への性犯罪の特殊性を無視したことだという批判も出ている。量刑委のある関係者は、「判断力が低い子供を誘惑し、性的犯罪を犯しても、暴力は振るっていないという理由だけで、軽い刑を受けるのは問題がある」と語った。

●量刑基準に反した「身勝手な」量刑も依然残る

同報告書は、量刑基準を守らないまま、勧告量刑より軽い刑を言い渡す「身勝手な」量刑も、依然残っていると指摘した。

金被告は昨年10月、公園で会った小学生のBさん(当時11歳)に、「学校の場所を教えてほしい」と声をかけ近づき、Bさんを200メートルほど離れた学校に連れて行った。金氏は、Bさんに1万ウォンを渡し、気を緩ませた後、学校の裏側に連れて行き、胸や腰などを触るなど、わいせつ行為を行った。光州(クァンジュ)地裁は、金被告に対し、量刑基準に基づく勧告量刑の範囲(懲役4〜6年)より軽い、懲役2年6ヵ月の判決を言い渡した。

裁判部は、金被告に対し軽い刑の判決を言い渡した理由として、△まじめに反省している上、△刑事処罰を受けたことがなく、△被害の回復に向け、供託金を払ったと判決文に記した。しかし、裁判部が並べた減軽事由は全てが、量刑区間以上の刑を判決してはならない一般軽減の事由ばかりだ。判決文に形ばかりの量刑理由を記しただけで、実際は量刑基準に反したことになる。検察の関係者は、「量刑基準を導入しても、これを守らなかったたり、裁判部が恣意的に解釈し始めれば、『予測可能な』裁判という量刑基準の導入趣旨は色あせてしまう」と語った。



dawn@donga.com