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産業銀行の民営化、海外銀行の買収失敗で赤信号

産業銀行の民営化、海外銀行の買収失敗で赤信号

Posted February. 03, 2010 08:44,   

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「ボルカー・ルール(Volcker Rule)」と呼ばれる米金融規制案が、産業銀行(産銀)の民営化計画を巡る大きな変数として浮上している。産銀が民営化を控え、意欲的に取り組んできたタイ地元銀行の買収が、ボルカー・ルールにぶつかり白紙化されたことを受け、「来年の国内証券市場での上場や、再来年の海外証券市場での上場」という日程にも支障が出る見込みだ。

産銀と同様に海外への進出を積極的に狙っていたほかの銀行各社も、産銀の買収放棄が、ボルカー・ルールによりブレーキのかかった初の事例という点に注目し、飛び火するのではないかと神経を尖らせている。

●産銀民営化への影響は避けられない模様

産銀は1日、タイ内資産規模7位の商業銀行、サイアムシティ銀行(SCIB)の売却入札に参加すらしなかった。産銀金融グループの閔裕聖(ミン・ユソン)会長は先月17〜19日、タイを直接訪問し、SCIBと協議を行ったあと、「買収の可能性は相当大きい」と明らかにするなど、力をいれてきたのとは対照的な反応だ。

産銀側は、「買収条件の一部項目が、今後、経営に負担を与える可能性がある上、ボルカー・ルールを巡る議論がどのようなやり方で具体化されるのかすら分からない状況なので、不確実性が余りにも大きいと判断した」と説明した。買収条件はこれまで、産銀が引き続き検討してきた事案であることを考慮すれば、買収を諦めた直接的原因は、ボルカー・ルールということになる。

金融圏では、産銀は08年のリーマン・ブラザーズに続き、今回、SCIBを巡る買収合戦まで相次いで意思を貫くことができなかったため、海外進出の構想はしばらく見合わされるだろうという見方が出ている。この場合、海外での小売金融ネットワークを確保し、「ブランド価値」を高めた後、証券市場に上場するという産銀金融グループの民営化戦略も、見直されざるを得ないという。産銀の幹部職員は、「国内外戦略をどう展開すべきか悩んでいるところだ」とし、「直ちに何かに取り組むのは難しいだろう」と話した。

●銀行圏の海外進出、大きな打撃はない見込み

産銀の事例が拡大されかねないという一部からの懸念とは異なり、ほかの都市銀行の海外進出はたいした影響を受けないだろうというのが専門家らの見方だ。ボルカー・ルールの中核は、商業銀行(CB)と投資銀行(IB)との業務分離であり、国内銀行業界で、同規制の適用を受ける可能性の高いところは、投資銀行の性格の強い産銀のほかにはないという。世界的金融規制の流れに逆らう姿勢を示してきた産銀の今後の行方に、金融当局が否定的な反応を示したのも、このためだ。

いまのところ、ウリィ銀行は、在米韓国人が運営する銀行であるロサンゼルス韓米銀行の買収、新韓(シンハン)銀行は、新韓アメリカ法人のネットワークの拡大、ハナ銀行は、インドネシア現地法人であるPTバンク・ハナ支店の拡大などを推進している。大半は、従来の商業銀行の営業ネットワークを拡大したり、ほかの商業銀行を買収するものであり、投資銀行を規制するボルカー・ルールからは離れているというのが、各該当銀行の説明だ。

ただ、産銀が、海外進出の戦略をしばらく見合わせる代わりに、国内に目を向ければ、ボルカー・ルールは、国内金融市場の再編を促す引き金となりうるという分析も出ている。ある金融評論家は、「産銀金融グループが銀行を通じ、小売金融を拡大しようとする戦略は当分、難しいだろう」とし、「大宇(テウ)証券や産銀資産運用などを掲げた金融投資業と、錦湖(クムホ)生命を掲げた保険業を通じ、受信基盤の充実化を図る場合、該当分野での競争は激化しかねない」と語った。



cha@donga.com peacechaos@donga.com