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南アフリカ共和国の「お婆さんサッカーリーグ」

南アフリカ共和国の「お婆さんサッカーリーグ」

Posted January. 14, 2010 09:06,   

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深いシワが年輪を語ってくれる。半ズボンの代わりにスカートを履いた人もいる。ふらふらしながら走る姿を見ていると、「果たしてゴールポストまで行けるだろうか」という気がする。しかし、一つだけは確かだ。情熱だけは国家代表のサッカー選手にも劣らないということだ。

●60代のお婆さんも「若者」

南アフリカ共和国のヨハネスバーグから約600キロ離れた黒人貧民街には、世界でただ一つのサッカーリーグがある。「お婆さんリーグ」だ。地域内の8つのチームが参加するこのリーグで、60歳のお婆さんは若者に入る。40代から80代まで多様な年齢層がともに汗を流す。

試合が開かれる日には、村ごとに珍風景が演出される。編み物や掃除など、家事を早めに済ませたお婆さんたちが一斉に運動場に集まる。運動場といっても、ぽつんと立てられたゴールポストと荒々しい砂場が全てだ。しかし、勝負に譲歩はない。お婆さんたちは、終始、真剣な表情で肩を引き寄せて勝負を競う。もちろん、お婆さんリーグの性格から、相手に激しいファウルをするのは禁物だ。

息子、嫁、孫らも同日だけは熱いサッカーファンになってお婆さんを応援する。他のお婆さんたちより足が速くてニックネームが「マラドーナ」のベカ・マシルさん(65)は、こう話した。「サッカーの試合がある日は、お祭りムードになります。運動場に立っている時は、本当にマラドーナになったような気がします」。

●貧しくても心だけは幸せ

激しい運動が体に無理をきたすのではないかという声もある。しかし、かえってその逆である。お婆さんたちは、「サッカーのおかげで、前より元気になった」と口を揃える。あるお婆さんは、「前は高血圧、糖尿などで苦労したが、今はお医者さんがどうやってこんなに元気になったのかと驚くほどだ」と言って笑った。ノラ・マフベラさん(83)は、「規則正しい生活をしている上、人生の楽しみができてから、みんな10年は若返りしただろう」と話した。また、「私の場合もサッカーを始める前は脳卒中で6度も倒れたが、今はこうやって元気に走っているのではないか」と話した。

お婆さんリーグの環境は劣悪だ。お婆さんたちが自主的に出した会費や住民らの支援で維持されているが、相変わらず、サッカーボール一つ買うのが難しくて縫い合わせて使っている。それでも、お婆さんたちは一緒にボールを蹴り、汗を流せるというだけでも幸せだ。無報酬でチームを受け持っているコーチはこう話す。「若い選手らを教える時は、ストレスもたまりお金も必要になります。しかし、お婆さんたちと一緒にいる時は違います。思いっきり笑いながら楽しんでいるうちに、心配が消えてしまうんです」。

お婆さんたちの人生に最近、別の楽しみができた。6月に開かれる10年南アフリカ共和国ワールドカップ(W杯)。自国でW杯が開かれるということにお婆さんたちは興奮を隠せなかった。80歳を越えるあるお婆さんは、こう話した。「私は毎晩、お祈りを捧げます。6月までは生きているようにしてくださいと」。



niceshin@donga.com