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[オピニオン]弁護士が感じる裁判官

Posted January. 13, 2010 08:27,   

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1600年代後半から、英国の裁判官は白いかつらをかぶって裁判をした。かつらが初めから英国裁判官の専用物というわけではなかった。1600年代初期、フランスの統治者ルイ13世が禿げを隠すために使ったのが欧州全体に流行し、英国の法廷の象徴となるに至った。裁判官と法廷の権威のためだった。韓国の裁判官が着用する法服も、謹厳な雰囲気を漂わせるが、不便さも伴う。夏の蒸し暑い日には、たらいに水を入れて足をつけながら裁判をしたという裁判官もいた。

◆英国の大法院は08年から、刑事裁判を除くすべての裁判でかつらの着用をやめ、法服は軽いガウンに替えた。英連邦のオーストラリアも、裁判官のかつらを廃止する動きを見せている。かつら廃止を推進したニコラス・フィリップス英大法院長は、07年の訪韓当時、「裁判官の服装が裁判に影響を与えるわけではない」と話していた。英国だけでなく多くの国で、外見で権威を示そうとする考えが退潮し、裁判の公正さと信頼性をより重視する方向に進んでいる。

◆ソウル地方弁護士会が、所属弁護士の裁判官評価の結果を大法院に伝える計画だ。所属弁護士約7000人のうち555人が出した評価資料を総合したものだ。約8%の参加率にすぎないが、「優秀裁判官」20人と、評価が低く現れた裁判官の名前まで大法院に提出される場合、かなりの波紋が予想される。低い評価を受けた裁判官は、言動が高圧的だったり、偏向的な裁判の進行、合意または自白の強要といった問題点があったという。優秀裁判官のリストだけ公開しても、裁判官の心境は複雑だろう。

◆裁判の当事者は、裁判官の言葉と表情を逃さない。裁判官がどちらか一方の肩を持ったり、面と向かって非難する場合、判決結果に予断を与える恐れがある。このような状況で敗訴した当事者は、裁判に承服できないだろう。弁護士の裁判官評価も、公正さに疑問の余地がある。裁判で負けた弁護士は、裁判官に対して不満を持ちやすい。弁護士の主観的な印象を基にした評価は、限界を持たざるを得ない。裁判官の高圧的な態度は正すべきだが、法と良心に従って裁く裁判官の独立性を侵害するという論議が起こる憂慮もある。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com