公務員労組の綱領には、公職社会の不正腐敗の清算から世界平和と自主・民主・平和統一をはじめとする人間の尊厳性の実現まで、大きな目標が網羅されている。多くの公務員労組が、不法政治活動と逸脱行動に明け暮れ、多くの国民に理念団体や政治団体と映ることは、労組と関係のない大層な綱領が理由であることも無視できない。しかし、公務員労組の不法行動は、「公務員は国民全体への奉仕者」と規定した憲法と、公務員の政治運動と集団行為を禁止した国家公務員法を違反する反国民的行為である。
◆02年3月23日に法外労組で始まった公務員労組は、慮武鉉(ノ・ムヒョン)政権時の06年1月28日に公務員労組法が法制化され、合法的な労組になった。その後、公務員労組は、雨後の竹の子のように生まれ、その数は数え切れないほどだ。国民のために公務員があるのか、公務員のために国民があるのか、分からなくなる状況だ。しかも、全国公務員労組などの3労組は最近、統合公務員労組を結成して、民間企業労組の脱政治、脱理念傾向に逆行する民主労総の勢いまでつけさせようとしている。
◆慮武鉉政府時は、公務員労組の不法集団行動を「良いものは良い」と言って処罰しないケースが多かった。法秩序を守るうえで模範になるべき公務員の不法行動をしっかり処罰せず、法軽視の風潮を蔓延させたわけだ。しかし、大法院は07年5月、全国公務員労組ストを支持するために無断欠勤した公務員の解任は正当だという判決を下した。デモや集会に参加しなくても、消極的支持の形の無断欠勤だけで、行政空白を招く可能性があるとして下されたこの判決は、労組活動に関わる公務員の行動に明らかな基準を提示した。
◆民主党の洪永杓(ホン・ヨンピョ)議員をはじめとする野党4党の所属議員48人が21日、02年の全国公務員労組設立後、労組活動と関連して解職された公務員約140人を復権させるために、特別法案を国会に提出した。解職公務員を特別採用方式で復職させ、懲戒記録も抹消して名誉と生存権を回復させ、公職社会の「改革と統合」に加わらせようということだ。不法行動で解職された公務員を復職させ、公務員労組の不法政治闘争を煽ることを「公職社会の改革」と結びつける意識は、驚かざるを得ない。
権順澤(クォン・スンテク)論説委員maypole@donga.com