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[社説]5.5%予測の成長率、雇用拡大に優先順位を

[社説]5.5%予測の成長率、雇用拡大に優先順位を

Posted November. 23, 2009 09:33,   

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韓国開発研究院(KDI)は来年、わが経済は5.5%の成長の勢いを回復するだろうと見込み、これによる政策転換を勧告した。経済回復振りにふさわしく財政支出を減らし、健全性を強化することにより、物価の安定に向けて低金利の基調を緩和すべきだという内容が柱となっている。財政拡大に頼った成長回復が経済運用に及ぼす負担を懸念しての政策要求だが、政策の転換時期を慎重に選ぶ必要がある。

わが国は昨年、米国発金融危機から脱するため、国内総生産(GDP)の6%に上る拡張的財政政策を展開してきた。世界で最も早く、力強い回復振りを見せているという経済協力開発機構(OECD)の評価もあるが、楽観するには多くの影響要因や危険要因が潜んでいる。景気回復より早めに緊縮基調に転換する場合、景気低迷や就職難は長期化しかねない。政策転換を遅らせば、不動産のような資産市場のバブルの再発や、構造調整の遅れという副作用を招くことになる。不動産市場のバブルも問題だが、バブルの急激な崩壊も耐え難いショックである。

韓国経済は「雇用なき成長」構造のワナに嵌っている。雇用はいつから危機から脱することができるのか、はっきり言えない。李明博(イ・ミョンバク)大統領も20日、「経済が成長しても、雇用が追いついていけないという悩みがある」と述べるほど、成長と雇用との不一致が激しい。成長の勢いの回復が雇用拡大へと繋がることができるよう、政策の優先順位を決めなければならない。

さらに、雇用の質を高める政策も同時に行われるべきだ。昨年は金融危機の中で、失業事態への緊急処方として、雇用維持のための支援金規模や公共労働事業の対象も拡大した。いまは非常対策レベルの支援を元通りに回復し、希望労働のような公共労働事業の効率性も突き詰めて、長期的な雇用対策を講じるべき時期に来ている。

来年度の成長率が潜在成長率水準に高まっても、韓国経済が金融危機を克服し、順調に進むという保証はない。世界で最速で進んでいる高齢化や少子化により、成長潜在率は低下し、各企業の投資意欲は低迷している。競争力向上に向け、構造改革を後回ししてはならないのに、景気循環的対応に止まれば、わが経済は先進化のチャンスを逸しやすい。

対外環境が悪化する可能性にも積極的に対応しなければならない。バラク・オバマ米大統領は、アジア歴訪を終えた後、「アジア市場に対する米輸出を5%だけ増やしても、数十万の雇用創出が可能だ」として、アジア市場の開放を強調した。米市場で大幅な貿易黒字を出しているアジア諸国への通商圧力を予告するシグナルである。