「韓国は米国に自動車市場をさらに開放しなければならない。米自動車メーカーが韓国市場で同等に競争できるようにならなければならない」（ロン・カーク米貿易代表部代表、５日の韓米財界会議晩餐演説にて）
「韓国はこれまで非関税障壁を動員し、外国産自動車を追い出した。韓米自由貿易協定を修正しなければならない」（カーク代表宛の１２人の米上下院議員の６日付書簡）
最近、米国で出ているこのような主張に対し、国内の専門家らはほとんど、「米国が韓国市場について何も知らない」「米国の有権者にアピールするための発言だ」という反応を示した。
●米国産車が人気のない理由は？
東亜（トンア）日報の産業部が行った調査で、２７名の専門家の中で１８名は米国産車が韓国で人気のない理由について、「商品そのものの問題」と指摘した。特に、「全般的な品質が良くない上、大きすぎて燃料の消費効率が良くない」という点を指摘した人が多かった。金基燦（キム・ギチャン）韓国自動車産業学会長は、「米国の自動車メーカーはこれまで商品よりは金融部門にさらに気を使ってきた」とし、「生産現場の競争力不足が自動車に出ている」と話した。
韓国消費者の好みにも合わないという批判も多かった。高級車の場合、韓国人は重厚な品格を重視するが、米国車は派手すぎるということだ。米国の次官級の人物が韓国を訪問して市場で反応のよい米自動車モデルについて聴いて、「どうして米国ではあまり人気のないその車が韓国ではよく売れているのか」と反問したというエピソードもある。
一般の人を対象に行った調査でも米国産車が売れない理由として、「デザイン」を挙げた人が１６．８％だった。米国産車の価格が１０％安くなっても他の車を買うと答えた人のうち１８．７％は、その理由を「デザインが気に入らなくて」と答えた。
特に、昨年と今年は原油高とグローバルな金融危機により、世界的に燃費が良くない米国産車は人気がなかった反面、中小型車に強い韓国の現代（ヒョンデ）・起亜（キア）自動車は、米国市場を含めて世界各国で躍進した。ジェネラル・モーターズ（ＧＭ）とクライスラーが破産に追い込まれ、フォードも経営難に直面したことを受け、米自動車メーカーのブランドイメージも地に落ちた。
●「消費者の好み」貿易障壁と言える？
韓国市場の貿易障壁についてもほとんどの専門家が懐疑的な反応を見せた。米国産車に対し関税の他に貿易障壁と言えるのがあったら何かという質問に対し、「安全や環境など、自動車関連基準か規制」を挙げた人は９名（３３．３％）、「消費者の好みや国民情緒」と答えた人は１０名（３７．０％）だった。韓国自動車工業協会の姜哲求（カン・チョルグ）理事は、「それぞれの国ごとに気候や運転文化が違うだけに、安全や環境関連規制も違わなければならない」とし、「韓国で車を輸出する際も輸出先の国の基準に合わせる。これを貿易障壁とは呼べない」と批判した。
消費者の好みや国民感情についても、ある専門家は、「そのような点が米国産車を韓国でハードルになることはあっても、それを貿易障壁と言えるかは疑問だ」とし、「韓国政府が米国産車の購買奨励キャンペーンでもやらなければならないと言うのか」と反問した。ある輸入車業界の従事者は、「かつては輸入車は広告ができないなど、実際的な障壁があった。しかし、今は関税の他にはっきり障壁と言えるようなことがあるかは分からない」と答えた。これといった貿易障壁はないと答えた専門家も４名（１４．８％）あった。
●欧州・日本産車の販売は好調
韓国の自動車市場に貿易障壁があるとしても、欧州・日本産車は引き続き販売量とシェアを伸ばしているという反論も出ている。韓国輸入自動車協会によると、０３年、輸入車の全体販売量は１万９４８１台で、シェアは１．９％だったことに対し、昨年は６万１６４８台（シェア６．０％）へ躍進した。０２年から昨年までの販売量が毎年歴代最高値を記録し、前年より伸びた。
０３年から昨年まで韓国で欧州産車の販売は１万２５３５台（シェア１．２％）から３万２７５６台（３．２％）へ拡大し、同期間、日本産車も３７７４台（０．４％）から２万１９１２台（２．１％）へ高速成長した。米国産車は同期間、３１７２台（０．３％）から６９８０台（０．７％）増に止まった。ＢＭＷの「ニュー７シリーズ」の場合、今年韓国で１〜１０月の間１５７８台が売られ、世界で４番目に多く売れた。輸入車に適用される関税率（８％）はみんな同じだ。
ＧＭ大宇（テウ）自動車を除いて韓国で正式な輸入ルーツを通じて売られる米国産ブランドは、クライスラーコリアが販売するクライスラー・ジープとダッジ、フォードコリアが販売するフォードとリンカン、ＧＭコリアが販売するキャデラックやサーブなどだ。
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