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[オピニオン]市場経済を巡る教育

Posted November. 11, 2009 08:39,   

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幸せな老後のために必要なことの一つとして、「子供リスクの最小化」を掲げる文章を読んだことがある。子供リスクとは、甘やかせて育てた息子や娘が成人して、正しい経済概念を持たず、両親を苦しませることを意味する。社会的に成功し、子供をいわば名門大学に行かせた人の中にも、このように気苦労する例が少なくない。未来(ミレ)アセットの姜敞熙(カン・チャンヒ)退職年金研究所長は、「子供リスクを減らすためには、無理な私教育より子供らが成人した後、しっかり自立できるよう、子供のころから正しい経済教育を行うことがより重要だ」と語る。

◆経済教育といわれると、財テクを思い浮かべる傾向がある。金を有効に利用することも現実的にないがしろにはできない。しかし、より必要なことは、我々が暮らす市場の作動原理や市場経済の重要性を簡単かつ説得力を持って教え、身につけさせることだ。複雑な数式やグラフのため、見るだけで怖じけてしまうような、かつての経済学の本とは異なり、最近は、一般人や青少年らが読んで興味を持つことのできる本が多く出ている。

◆最近、社団法人「韓国経済教育協会」の新会長として経済官僚出身の李錫采(イ・ソクチェ)KT会長が選ばれた。李会長は昨日のインタビューで、「単なる経済知識を超えて、南北のはっきりと違う現実が証明した市場経済体制の優越性や、韓国経済が成し遂げた歴史を『ストーリテーリング』の方式で若者たちに知らせたい」と話した。米国のカーネギーやロックフェラーのように、漢江(ハンガン)の奇跡を成し遂げるのに貢献した企業家らを、社会的に高く評価する必要性も強調した。氏は、「人間なら否定的な面もあるはずだが、企業家が些細なことを遂げるために、どれだけ多くの汗や犠牲を払ったかを、必ず記憶しなければならないだろう」と語った。

◆自分の人生の中では、市場経済がもたらすさまざまな恩恵や豊かさを享受しながら、機会さえあれば、企業や市場を蔑み、「意識ある知識人」でもあるかのように振舞う人々をたびたび目にする。「全国教職員労働組合流の経済観」が学校の中で羽振りを利かせ、「言葉と行動が一致しない」偽善的言動をさらにあおった。このような考え方は本人の人生を蝕むだけでなく、国家的にも弊害が大きい。私たちの子供たちが市場経済の教育に正しく接し、自分の人生を開拓できるように家庭や学校、国や社会が一緒に努力しなければならない。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com