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[オピニオン]地下経済

Posted November. 04, 2009 09:03,   

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ウィスキーを飲んだ後に頭が痛くなると、自分が飲んだのは偽物のウイスキーではなかったか疑うようになる。国税庁が毎年取り締まりに取り組んでいるが、偽ウィスキーは毒茸のように消えない。国税庁は偽ウィスキーを追放するため、先端の情報技術(IT)を酒類流通に導入した。先月から江南(カンナム)地区に出荷されるウィスキーボトルの蓋に電子チップをつけて、消費者が携帯電話で本物であるかどうかや、出荷の日付を確認できるようにした。来年はソウル市の全域で、12年には全国に拡大して義務付けられる。

◆すべてのウィスキーボトルに250ウォンの電子チップをつけると、消費者が偽物に騙される恐れは無くなるだろう。ウィスキー1本を正常に販売すれば、付加価値税と特別消費税に総合所得税まで、酒代より多くの税金を払わなければならない。偽ウィスキーや税金計算書なしに無資料取引をすれば、一銭の税金も納めなくて済む。酒場のオーナーがどっちに心が引かれるかは言うまでもない。米国税庁(IRS)の分類によると、偽ウィスキーは「不法地下経済」で、無資料ウィスキーは税金を納めない「非公式の地下経済」だ。

◆国内のウィスキー市場の規模は約5400億ウォンで、税金まで合わせると年間1兆ウォンに上る。このうち20%が地下経済だと推算すると、約2000億ウォン分が税金を納めずにいることになる。理論からして、偽ウィスキー、売春、賭博、麻薬、賄賂、不法の高額家庭教師などの地下経済を全部合わせると、全体の規模が出てくる。国政監査の時、車明進(チャ・ミョンジン)ハンナラ党議員は、国内総生産(1000兆ウォン)の27%に当たる270兆ウォン規模の地下経済から、1年に54兆ウォンの税金を取り立てることができると述べた。米国でも、財政赤字が深刻だった1980年代に地下経済を減らして税収を増やそうという主張が出たことがある。

◆米国のフィージ教授は、地下経済を「一般の公式の経済統計では把握されていない全ての経済活動」と定義した。この定義によると、マイホームを購入する際、税金を少しでも減らすために書くダウン契約書や主婦の家事労働も地下経済に属する。弁護士や医師に領収証なしに支払ったお金も一緒だ。不法カード換金業者と結託した税務公務員や、検察の家宅捜索を受けた国税庁高官夫人のギャラリーも地下経済と無関係ではなさそうだ。国税庁が地下経済を引き出し、税収の拡大を図るという。地下経済との戦いが中身のない口先だけの掛け声に終わらず、「ガラス張りの財布」だけの国民の税負担を軽減してほしいものだ。

朴永均(パク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com