Go to contents

[社説]格差がさらに拡大した南北の経済力、体制と指導者の問題

[社説]格差がさらに拡大した南北の経済力、体制と指導者の問題

Posted October. 28, 2009 08:02,   

한국어

韓国と北朝鮮の経済力の格差がますます広がっている。韓国の国民総所得(GNI)は、98年北朝鮮の28.3倍から、10年が経過した昨年は37.7倍へと増加した。1人当たりのGNIは、同期間で12.9倍から18.1倍に拡大した。昨年の韓国の貿易総額は、北朝鮮の225.6倍であり、輸出は383.6倍だった。平均寿命や身長、自由と人権でも、韓国と北朝鮮は比較にならない。

光復(クァンボク=日本の植民地支配からの独立)と分断を経験した時、韓国経済は北朝鮮よりはるかに遅れをとっていた。植民地支配期に日本が、工場やダムなどの産業施設を北朝鮮地域に集中的に建設したためだ。韓国の1人当たりの国民所得は5・16軍事政変が起きた61年には89ドルで世界125ヵ国の中で101位だったが、北朝鮮は320ドルで世界50位圏だった。しかし、政府樹立後60年あまりが経った今、韓国と北朝鮮の経済力と暮らしの質は完全に逆転した。

韓国が受け入れた市場経済と自由民主主義体制が発展の原動力だった。市場経済体制は、私有財産権の保護とインセンティブを土台に、企業家や労働者などの国民の暮らしの質を高めた。いっぽう、計画経済と共産独裁の道を選んだ北朝鮮は、時間が経つにつれ非効率と停滞の沼に陥った。人間の本性に逆行する体制のためだ。韓国は70年代初め、1人当たりの国民所得で北朝鮮を追い抜いた後、ますます格差を広げた。

韓国と北朝鮮の指導者、特に朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領と金日成(キム・イルソン)前北朝鮮主席の国家運営の方向と能力の差も重要な変数として作用した。朴元大統領は、輸出主導型の経済戦略、企業家精神および自助精神の鼓吹、率先垂範するリーダーシップで世界最貧国水準にあった韓国経済を跳躍させ、長年の貧困の鎖を断ち切った。朴元大統領の強権的統治が民主主義と人権の面で影を落したのは事実だが、全体的に業績が著しい指導者だった。「朴正熙時代」に花を咲かせた産業化は、民主化の土台でもある。いっぽう、50年近く北朝鮮を支配した「金日成時代」が残したのは、深刻な貧困と飢え、恐怖政治と、2代を越え3代にまで続く世襲独裁体制だった。

韓国と北朝鮮の顕著な格差は、体制と指導者の差が一国の経済と国民生活にどれほど大きな影響を及ぼすのかをはっきりと示している。にもかかわらず、一部の守旧左派勢力は、依然として韓国を中傷し、「収容所国家」である北朝鮮をかばっている。政治、経済、マスコミなどの各分野のリーダーから、自由民主主義と市場経済の優越性に対する信念を持ち、豊かで自由な国をつくることに拍車をかけなければならない。