Go to contents

「1日に数百億を牛耳る?」ドラマのような大物ファンドマネージャーはいない

「1日に数百億を牛耳る?」ドラマのような大物ファンドマネージャーはいない

Posted October. 26, 2009 09:11,   

한국어

「億ウォン台の年収の代名詞、秒を争う頭脳の戦い、1日に数千億ウォンを牛耳る金融資本主義時代の大物…」

大学生らが好む職業のトップとして浮上したファンド・マネージャーを巡るイメージだ。9月末現在、金融投資協会に登録しているファンド・マネージャーは1087人、ファンド・マネージャー1000人時代を迎えた今、上辺だけの彼らのイメージは実際とはどれほど合っているのだろうか。

東亜(トンア)日報は68の資産運用会社に対してアンケートを行い、回答を得た684人についての情報分析を行った。その結果、一般の予想とは異なり、理工系の専攻者の割合が高いことが分かった。建築や数学、産業工学などの理工系出身のファンド・マネージャーらが全体の20.6%だった。経営(35.7%)や経済(22.4%)の比率は断然高かったものの、数学的な知識を背景とする派生金融商品が殺到し、理工系出身が増加する傾向を見せている。最初から証券会社や資産運用会社でキャリアを積んだマネージャーがほとんどだが、三星(サムスン)電子やハンファ、SKテレテックのように、該当産業から転身を遂げた人も意外と多かった。

資産運用業界の最高経営者(CEO)らは、「株式市場には化学や建築、ナノ技術や医療など、あらゆる業種の会社が上場されている」とし、「直感によって株式の売買を行うよりは、該当産業について深く精査し、新たな流れをつかみ取れる人がファンド・マネージャーには適している」と語った。

●「スター」は去り、システムのみ残る

「このファンドは、ベンチマーク(ファンド評価における基準指数)を15%も上回っています。運用状態をチェックしてください」。国内最大手の資産運用会社「未来(ミレ)アセット資産運用」のファンド・マネージャー39人は、証券市場の取引が終われば、たまにはこのような警告性の電子メールを受ける。収益率が基準指数を下回る時や、過度によくなる時である。同社の朴ジンホ株式運用3本部長は、「マネージャが過度に変動性の高い銘柄を組み込んだのではないかチェックするように警告するシグナルだ」とし、「過去に比べ、ファンド・マネージャー個人の裁量権は大幅に減った」と話した。

これは、ファンド・マネージャー1000人時代の一場面である。ドラマに出るように、1日に数百億ウォンを自分の意思どおりに牛耳るマネージャーは、実際には存在せず、個人の力量は集団の中でのみ発揮される。未来アセットのク・ジェサン代表など、ごく一部の役員を除けば、大衆に名の知れたマネージャーはほとんどいない。約10年前にファンドへの投資ブームが起き始めた時、新聞の広告に腕組みをしたファンド・マネージャーらの写真が大々的に載せられたことと比べれば、打って変わっている。

韓国投資信託運用(韓投運用)は、ファンド・マネージャーらは投資する銘柄を選ぶ際、3つの段階を経ることになる。まず、会社のリサーチ部門で、モデルのポートフォリオを組む。これを基に、ファンド・マネージャーやアナリストらが一緒に集まって、戦略ポートフォリオを絞り、最終的に実際に投資する銘柄を選ぶ。会社が組んだポートフォリオの下で、ファンド・マネージャー個人が力量を発揮できる部分は多くて20〜30%水準だ。それさえ、このような「独自プレー」をする時は、最高投資責任者(CIO)から承認を得なければならない。韓投運用の姜信祐(カン・シンウ)副社長は、「一人や二人のスター・マネージャーに全権をゆだねた末、収益率が大幅に悪化したり、ほかの会社に転職したりすれば、結局投資家らのみ損害を受ける」とし、「ファンド・マネージャーのミス判断をを防ぐためには、現在の構造が一段と優れている」と語った。

●激化する競争、洞察力と勤勉さだけ生き延びる道

大衆から人気を獲得しなければならないことへの負担は減ったものの、ほかのファンドとは差別化を図らなければならないというストレスは、さらに増えた。いわば、「手付かず」の銘柄がないためである。シンヨン投信運用の李相辰(イ・サンジン)副社長は、「市場で名の知れた企業は全て研究されていると思えばいい」とし、「新たな銘柄の発掘は非常に厳しい」と打ち明けた。競争は「選手」同士のみ行われるのではない。マネージャーらがある銘柄を買おうとすれば、すでに投資していた「個人投資家」らが売りさばいては去る事例も日常茶飯事である。

差別化を図るためには、優れた洞察力を発揮しなければならない。韓国投資バリュー資産運用の李埰源(イ・チェウォン)副社長は、「新型インフルエンザが広がれば、旅行業やデパートなどが打撃を受けるだろうということは、誰もが知っている」とし、「そこから一歩進んで、人々が手を洗って、目の病気が減ることになり、眼科すら被害を受けかねないという推測までしなければならない」と語った。洞察力は勤勉さから出る。韓国バリューのマネージャーらは1週間に4回以上、年間100〜200度は、投資会社を直接訪問する。すでに買い付けた銘柄も、四半期ごとに1度は確認を行う。企業のCEOともたびたび会う。このようにして獲得した「感」は洞察力となり、投資のミスを減らすことになる。

ING資産運用の崔鴻(チェ・ホン)社長は、「産業のパラダイムが変わり、今は2万ウォンの株価が20万ウォンとなりうるという想像力を持つべきだ」と話した。現代(ヒョンデ)尾浦造船の株価は00年はわずか4000ウォンだったが、07年末は39万ウォン台へと、実に100倍近く高騰したのがその代表的な例である。



jarrett@donga.com turtle@donga.com