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派閥間あつれき、判定疑惑…テコンドー新総裁の課題山積

派閥間あつれき、判定疑惑…テコンドー新総裁の課題山積

Posted October. 15, 2009 08:48,   

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彼は普段、山登りを楽しむ。いくら忙しくても、1ヵ月に2〜3回は山に登る。慶煕(キョンヒ)大学総長時代には、学生よりも山を登るのが早く「木こり総長」というあだ名が付けられた。「山に登っていると、謙遜になり、憎しみが消えて気持ちがよくなる」と言う。

13日、デンマーク・コペンハーゲンで開かれた世界テコンドー連盟(WTF)総裁選挙で、3選を果たした趙正源(チョ・ジョンウォン)総裁(62)の話だ。

05年6月、金雲龍(キム・ウンヨン)前総裁が辞退したため、後任総裁に赴任したことから、「空きタクシーのただ乗り」とも言われた。しかし、現役の国際オリンピック委員会(IOC)委員と対決した今回の選挙で、圧倒的な票差で勝利し、足場はさらに強固になった。WTFのある関係者は、「今回の圧勝で、彼は『WTF号』の名実共に船長となった」と評価した。趙総裁も、「様々な改革プログラムが、今回認められたわけだ」とし、「これからテコンドーの世界化に本格的に取り組む」と自信を示した。

しかし、「趙正源号」の前には、相変わらず暗礁が多い。WTF内でエスカレートしている派閥間のあつれきは、彼が解決しなければならない第一の課題だ。

選手出身のあるテコンドー関係者は、「国技院が国内の派閥争いの養成所だとしたら、WTFは世界的な派閥争いが展開される四角のリングも同然だ」と皮肉った。特に、今回の選挙では、前例がないほどし烈な選挙戦が展開され、さらに葛藤が深まったという声も聞かれる。

趙総裁は、選挙終了後、本格的に人的刷新に乗り出すと明らかにした。これからの人的刷新が、葛藤の触媒剤になるか、調和の根になるかは彼の手腕にかかっている。

テコンドーを五輪代表種目に定着させるのも、解決しなければならに課題だ。テコンドーは最近、16年リオデジャネイロ五輪の正式種目として残留が決まったが、20年大会ではどうなるか分からない状況だ。相次ぐ判定疑惑に迫力ない競技進行などは赤信号だ。昨年、WTF事務総長がIOC委員に賄賂を渡そうとして、IOC倫理委員会に回付されたこともあった。モラルハザードで、恥をかくようなことは二度と起きてはならない。

趙総裁は、当選後の第一声で、「選挙で生じた雑音の責任所在を問わない」と強調した。反対勢力とも積極的に協力していくという話だ。山に登りながら、「広い包容力」を身につけたと言う。山登りのリーダーシップがWTFの体質改善にどう機能するか見守りたいものだ。