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携帯でもらえるギフトカード、心づけに悪用される余地

携帯でもらえるギフトカード、心づけに悪用される余地

Posted September. 24, 2009 08:33,   

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「ギフティコン(gifticon)が届きました」

ソウル江南(カンナム)のある小学校教師のHさん(29、女)の携帯電話に、授業中メールが届いた。普段、友だちとギフティコンをよくやり取りするHさんは、たいしたことではないと思って、携帯電話から視線を外した。コンビニで飲み物のような食べ物が買える「プレゼント」が届いたと思ったからだ。

●「○○の母です」20万ウォンの商品券が届く

しかし、授業が終わって発信番号を見たら、知らない番号だった。「誰が送ってきたのだろう」と思い、無線インターネットに接続して確認したところ、一般のギフティコンではなく、20万ウォン券の「モバイルギフトカード」だった。Hさんは、最初は誰かが間違えて贈ってきたものだと思った。発信者に電話をかけると、聞き慣れた声が聞こえてきた。「先生、○○の母です。秋夕(チュソク=旧暦の8月15日)なのに、大した贈り物もできそうになくて、お贈りしました。化粧品でもお買いになってお使いください」。Hさんは、その時になって自分も知らないうちに「心づけ」を受け取ったことに気付いた。Hさんは、「後で大学の同窓らと話をしたら、このようなやり方でプレゼントをもらった友だちがかなり居た」とし、「秋夕を控えて、似たようなケースがさらに増えるかも知れない」と話した。

ギフティコンはもともと、商品と一対一で交換する使い方だったが、最近は、あるカード会社が「モバイルギフトカード」を導入してから、現金のように使えるようになった。一度にプレゼントできる金額も50万ウォンへ上がった。安価な商品が主流だった一般のギフティコンとは違い、モバイルギフトカードでは化粧品やオンラインショッピングモールの利用など、相対的に「品のある」物もプレゼントできる。06年、SKテレコムが初めて手がけたギフトコンサービスは、最近、金額の上昇と共に「心づけ」の手段としても使われるようになった。

また通常、プレゼントを贈るためには直接訪ねるか、家の住所を知らなければ渡すことができなかったが、このカードは相手の携帯電話の番号さえ分かれば、贈ることができる。「伝達」も確かだ。宅急便で贈ったプレゼントは教師が送り返すこともできるが、このカードは無意識のうちに携帯電話のボタンを押せば、自動的に保存される。Hさんは、「一杯のお茶ぐらい飲める『ギフティコン』なら誠意だと思って受け取ることもできるが、これ程の金額になると負担になる」と言い、「返せる方法が分からず困っている」と話した。

●返す手立ても他にない

カードを贈った人が黙ってさえいれば、秘密の保持も可能だ。このカード会社の関係者は、「インターネットサイトには伝送の記録が残るが、一々誰に贈ったかを追跡するのは容易ではない」と話した。教育当局が取り締まりに乗り出しても、全体父兄の勘定を調べなければならないため、事実上、摘発がほとんど不可能だ。このカードを贈ることそのものは不法ではないからだ。

だからと言って、教師らの受信記録を一々確認することもできない。団体的な反発が目に見えているからだ。ソウル市教育庁は今年7月、「心づけ懸賞金制」を導入し、心づけ授受の届出を受けようとしたが、教員団体の根強い反発にぶつかって霧散した。当時、韓国教員団体総連合会(韓国教総)をはじめ、教員団体は、「清廉な大多数の教師を潜在的な犯罪者にすることだ」と主張した。金ドンソク韓国教総報道官は、「父兄らは皆、教師の携帯電話の番号を知っているため、望んでもいない心づけが入ってきて、社会的な批判の対象になる恐れがある」とし、「うっかりとミスでモバイル商品券を受け取ったケースが出てくるようなら、父兄に丁寧に返却のできる手段を探してみる」と話した。

延世(ヨンセ)大学の金ホギ教授(社会学)は、「記録が残る銀行口座に代わって、一種の送金が可能な方法だ」とし、「一度に利用可能な金額に制限はあっても、数回にわたって利用すれば大量送金も可能だ。黒い取引に悪用される恐れがある」と話した。



kini@donga.com