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[オピニオン]新型インフルエンザによるスキンシップ

[オピニオン]新型インフルエンザによるスキンシップ

Posted September. 14, 2009 08:39,   

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国や宗教ごとに異なる挨拶方法を持っているが、東西を問わず、握手は最も普遍的な挨拶方法であることに異議を唱えることは難しいだろう。いつごろから握手が始まったのだろうか。登場時期を巡っては意見が食い違っているが、だれもが頷ける下りがある。握手は、「自分の手に武器を持っていない」という印、すなわち、相手と戦う意思の無いことを意味することだ。帽子の脱ぐのも同様だ。帽子の中にいかなるものも隠していないという意味が、挨拶の方法として発展した。

◆握手の故郷が英国であるせいか。フランスでは握手より頬へのキスをより好む、老若男女を問わず、会う時や分かれる際は、両頬を交互に触れ合いながら「チュー」と口づけの音を出す、この挨拶方法を「ビズ(bise)」という。親しい間柄だけでなく、友人同士が初めて紹介される席でもビズを行う。ビズの文化のため、アジア人らは、フランス人からの紹介を受ける際、度肝を抜かれることもしばしば起きる。年老いた男性同士が「チュー、チュー」と音を立てながら、ビズをする姿は面白おかしく、時には奇怪にも見える。

◆スキンシップを利用した代表的な挨拶である握手や頬へのキスが、これらの国々から姿を消しつつあるという。新型インフルエンザのためである。フランスの大手企業「アクサ」は、ビズを公式に禁じ、一部の学校や幼稚園でも家庭への通知を通して、子供らがビズをしないよう、訴えている。専門家らはビズより、握手のほうがより問題だと指摘している。家庭衛生に関する国際科学フォーラム(ISFHH)議長のサリー・ボルムフィールド・ロンドン大学教授は、「握手で挨拶を交わす人は、頬へのキスで挨拶をする人々より、インフルエンザや寄生虫を伝染させる可能性が一段と高い」という内容の論文を発表した。

◆「手洗い」のルールに従えば、トイレに行ったときは勿論のこと、金に触ったり、エレベーターのボタンを押した時も、手を洗わなければならない。握手が危険なのは、相手が握手の直前にどんな行動をしたのか分からないためだ。わが国でも新型インフルエンザが、長年の慣わしの一つを変えている。絶対消えそうもなかった「杯回し」が次第になくなっている。新型インフルエンザへの恐怖が広がり、人々は握手の変わりに、距離を置いて顔を背く新たな挨拶方法が登場するかも知れない。「私はあなたにウイルスを移す意思がない」という印のために。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com