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[オピニオン]第5のエネルギー

Posted August. 11, 2009 08:25,   

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「ギデンズ・パラドックス」というのがある。地球温暖化による危険は、日常で見えることもなく、即時的でもないが、もしその危険が目に見える形で現れた後、対応措置を取ろうとしたときはすでに遅れすぎるという内容だ。欧州の左派に甚大な影響を与えた「第3の道」の著者、アンソニー・ギデンズ・ロンドン政経大学教授が提起した。ギデンズ教授は温暖化防止における市民参加の必要性を強調した。しかし、不確実な未来のため、現在の習慣を変えるべきだというようにという忠告はなかなか通じない。特に、環境に対する警告は、喫煙者に肺がん発病の危険性をいくら強調してもタバコをやめられないこと以上に耳を貸してもらえないようだ。

◆ジョアンナ・ヤロウは著書「地球を救う1001の方法」で、温暖化の主犯である炭素の排出を減らし、環境を保護できる1001の実践方法を紹介した。自転車に乗ること、大きい歩幅で歩くこと、電気消費量の少ないLED製品を使うこと、洗濯物を水ですすぐことなど、数々のアイデアが網羅されている。しかし、「私独りだけが頑張ってもしょうがない」という考え方や言い訳が、多くの人の行動を支配しているためか、実践する人がなかなか増えない。みんなが参加するとしても、地球温暖化という大きな流れを変えるには力不足なのかも知れないが。

◆フランスの環境団体「ネガワット」が過去30年間、フランスのエネルギー消費パターンを調査したところによると、節約だけで1次エネルギー消費量の64%を減らせることが分かった。それほど節約はエネルギー問題解決の最も重要な手段だ。李明博(イ・ミョンバク)大統領は昨日のラジオ演説で、「グリーン技術よりさらに重要なのは、グリーン生活だ」と述べ、省エネは「第5のエネルギー」だと強調した。これに対するコンセンサスの拡大と共同の実践が緊要だが、果たして「グリーン生活」が国民の間に幅広く日常化する日が来るのか疑問だ

◆韓国国民は、一度その気になると、世界が驚くほどの成果を成し遂げる底力がある。1997年の通貨危機の時の「金募集キャンペーン」がそうだったし、高速道路のサービスエリアのトイレにビデと香水が備え付けられているほどきれいなトイレ文化の定着がそうである。日本では約20年間、検討だけをしていたゴミ従量制の全国実施を1995年1月1日、1日間施行して成功したのもわが国である。グリーン生活こそ「いったんその気になると、必ず成功させる」という国民性を誇示できる今世紀最大のホットな課題である。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com