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[オピニオン]稼いで返済する学資金

Posted August. 01, 2009 08:09,   

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映画「21」は、MITの数学の天才たちが「カードカウンティング」という方法で、ラスベガスのカジノで金を手にする過程を描いている。映画のオープニングの部分で、主人公のベン・ケンブルは、ロビンソン奨学金を受けるために教授に相談する。アルバイトで生活する彼は、奨学金がなければ学校に通うことが難しい状況だ。奨学金を希望するケンブルに教授は言う。「昨年、ロビンソン奨学金を受けた学生は韓国移民だが、片方の足がなかった。きみも足を切るか?」。米国の大学で勉強ができると認められているアジア系の学生たちが奨学金まで受けていることがうかがえる。

◆実際、米国の大学の授業料は非常に高い。韓国の大学生が、「年間授業料1000万ウォン時代」と言って集団デモまでするが、米国の私立大学の年間授業料は4万〜5万ドル(約5000万〜6250万ウォン)にのぼる。高い授業料のため、大学生の56%が学資金の融資に頼っている。大学中退や社会での落伍によって融資金を返済できない人も数十万人にのぼり、政府財政に負担になっている。

◆学生時代に学資金を受け、就職後に所得が一定水準になれば返済する新しい学資金融資制度が来年、導入される。同制度の採択を進めた李明博(イ・ミョンバク)大統領は、「もう大学の授業料を心配しなくてもいい」と述べた。在学中は利子もつかない。年間200万ウォンまで生活費の融資も受けることができるというから朗報には違いない。所得が低い家庭の学生が対象であり、教育機会を広げることに貢献するだろう。しかし、年平均1兆5000億ウォンにのぼる財源を、政府が債券発行を通じて調達するというから、結局は国民の税金負担につながらざるをえない。

◆政府は、英国、オーストラリア、ニュージーランドなどの無償大学教育を実施していた国々が有償教育に転換したさい、学生の負担を減らすために導入した制度をモデルにした。大学進学率が83%にもなる状況で、高い授業料問題に国が知らん振りできない事情は理解できるが、深刻な青年失業を考えると、融資金の回収が憂慮される。政府が、「貧しくて勉強できなかった」という声がもはや出ないようにするとして破格的な制度を導入したのだから、融資金を返済することは、国民と後輩たちへの恩恵を受けた者の義務だろう。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員shchung@donga.com