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[オピニオン]クリントンの無視

Posted July. 25, 2009 08:05,   

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ヒラリー・クリントン米国務長官が、北朝鮮の朴根光(パク・グングァン)大使に目もくれず通り過ぎた。別の国家の代表と並んで立っていた朴大使は、冷たく通り過ぎるヒラリー長官に対して、不満気な視線を向けた。23日、タイ・プーケットで開かれた第16回アセアン地域フォーラム(ARF)のワンシーンだ。2人がすれ違う瞬間を撮った写真から、冷ややかな米朝関係がうかがえる。

◆ARFは、韓国と北朝鮮を含め23ヵ国が出席するアジア太平洋地域唯一の多国間安全保障協議体だ。第2回北朝鮮核危機が起こった02年以降、南北と米朝の外交長官が顔を合わせる滅多にない機会を提供し、ARFに対する関心が高まった。コリン・パウエル米国務長官は02年、北朝鮮の白南淳(ペク・ナムスン)外相に会って、米朝対話再開案を話し合った。パウエル長官は、「プル・アサイド・ミーティング(pull aside meeting=会談場で他人に聞かれない場所に相手を連れていって話しをする形式)」を利用した。コンドリーザ・ライス長官も、08年に北朝鮮外相に会った。

◆今年は、米国が北朝鮮に会う意思がなかった。米国務省関係者らは、ワシントンから、「ARFで北朝鮮高官と個別に会う計画はない」と明らかにした。北朝鮮は、外交長官が出席する慣例を破って大使級を代表に送って、長官級対話の可能性をつぶしてしまった。米国も北朝鮮も、両国関係が多国間の外交舞台で実現する短い接触では解決できないほど深刻に絡まっていることを認識し、対話の試みもしなかった。

◆結局、米朝は各自の道を進んでしまった。ヒラリー長官は、「不可逆的な非核化」を前提に核解決に向けた包括的パッケージを提案したが、北朝鮮は、「話にならない」と拒否した。ヒラリー長官と北朝鮮との間に舌戦まで起っている。ヒラリー長官が、北朝鮮を「分別のない10代」と描写すると、北朝鮮は「小学校の女子生徒」、「扶養されるべき老婆」といった人身攻撃性の非難を浴びせた。ヒラリー長官は、北朝鮮が変化する前にいかなる譲歩もないという意志を言葉と行動で示すことには成功した。米朝間で交される言葉の攻防は、小学生の口げんかのようだ。いつもそうだったが、北朝鮮の「険口」からは外交的なレトリックは見い出せない。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com