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[オピニオン]ワシントンの鳩

Posted July. 20, 2009 03:16,   

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最近、米ワシントンでは「全ての鳩が飛んでいってしまった」という話が出回っている。国際政治の場で、「鳩」とは、対話や交渉を通じて問題を解決するよう主張する人を指す。対北朝鮮関係において、鳩とは国務省のスティーブン・ボスワース対北朝鮮政策特別代表とソン・キム6者協議首席代表程度であろう。国務省が15日、急きょ開いた北朝鮮関連の記者会見の会場には、北朝鮮問題を扱う国務省や財務省、ホワイトハウス・国家安保会議(NSC)の主要人物らが総出で出席したものの、この二人は欠席した。「鳩の行方不明」という言葉が出るのも当然だろう。

◆北朝鮮は当初、バラク・オバマ政府を「鳩」だと思ったのだろう。オバマ政府も最初は、北朝鮮の核を容認しないレベルで、北朝鮮に対して話し合いのテーブルにつくよう要請した。しかし、北朝鮮はこれに応じるどころか、ミサイル発射や核実験を持って、相手の面子をつぶした。自分らが強気で出れば、米国が交渉を提案する上、譲歩までし、なんらかの反対給付を受け取ることになるだろうと期待しただろう。しかし、判断ミスだった。オバマ大統領は、「悪い行動に対して見返りはない」とはっきり宣言した。鳩らの取り付く島もなくなるのは当然である。全ては自業自得だ。

◆オバマ政府の対北朝鮮への強硬姿勢は日々強まっている。国連安保理において対北朝鮮制裁決議の第1874号の採択を主導する一方で、東南アジアの国に向かった北朝鮮の兵器を積んだものと疑われる船舶を密着追跡し、結局、船の方向を変えさせてしまった。安保理と共に、対北朝鮮金融制裁においても拍車をかけている。安保理が北朝鮮の高官が5人も含まれた強い制裁案を16日確定できたのも、中国やロシアを始め、国際社会が全面的に参加したためである。北朝鮮は八方塞の状態に置かれている。

◆韓国を訪問したカート・キャンベル米国務次官補(東アジア太平洋担当)は昨日、「北朝鮮が重大かつ不可逆な措置を取るなら、北朝鮮が魅力を感じるほどの包括的なパッケージを提供することもできる」と語った。米国は依然、北朝鮮に対する期待を完全に捨ててはいないことを意味する。しかし、ワシントンでは北朝鮮を再びテロ支援国のリストに盛り込むべきだという強硬な声が出ている。北朝鮮が核を抱えたまま、対話を拒否し、引き続き攻撃的に姿勢で出れば、ワシントンの空には「鷹」のみ飛び回ることになるかもしれない。

李進寧(イ・ジンヨン)論説委員 jinnyong@donga.com