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[オピニオン]貧困と分配

Posted July. 15, 2009 08:22,   

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韓国は、本格的な経済開発を開始した1960年代初めから約30年間、年平均8%以上の高度成長を遂げてきた。経済と企業の規模は拡大し、質の高い雇用が増え、国民の生活水準は急速に向上された。世界銀行は、高度成長と分配の改善という「二兎」をつかんだ模範的な国として、韓国を取り上げている。韓国内の一部勢力の主張は、成長の実りが「財閥」に渡っただけと主張し、その意義を半減させているが、同調する外国の研究機関や学者はほとんどいない。

◆韓国開発研究院(KDI)は00年代に入り、韓国の都市世帯の相対貧困率が、所得不平等の度合いを表すジニ係数より一際速いスピードで上昇したと分析した。昨年、韓国の貧困率は14.3%と、16年前の1992年(7.7%)の2倍に迫っている。この10数年間、経済協力開発機構(OECD)加盟諸国の平均貧困率が、0.6%上昇したのに対し、韓国は4〜5%も上昇した。我々は、権威主義的な政府の際に、大幅に増加した中間層が、制度的な民主化の実現後にかえって減少するジレンマに陥っている。

◆貧困層が急増した決定的な原因は、韓国経済が「低成長・低投資の泥沼」に陥ったためだ。平等やバランスの論理が大手を振り、各企業は韓国内への投資を渋り、これは成長率の下落や優良雇用の減少、中間層の貧困化へと繋がった。成長の恩恵が、低所得層に十分回らなかったことは、二次的要因である。我が経済の潜在成長率が、3%台へと下がったという分析も出ており、今後も心配だ。ジョン・F・ケネディ元米大統領は、「満ち潮の時は、全ての船舶が一緒に浮かぶ」という例えで、成長の重要性を強調したことがある。

◆低所得層の減少や分配改善のため、政策的かつ政治的な配慮が求められる。しかし、富裕層の持ち物を取り上げ、貧しい人たちに振り分けるという発想は問題をさらに悪化させる。「窮乏のトンネル」に向かう人々を減らす最善の解決策は、企業のやる気を奮い立たせ、経済の成長エンジンに火をつけ、質の高い雇用を一つでも多く創出することである。左承喜(ザ・スンヒ)京畿(キョンギ)開発研究院長は、「一部の野党や左派勢力が、『MB(李明博大統領)の悪法』と決め付けるメディア関連法や金融産業分離緩和法のように、企業の投資を引き出す政策をさらに打ち出すべきだ」と強調した。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com