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[オピニオン]地球温度の2度

Posted July. 11, 2009 03:00,   

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昨日、ソウルの最低気温は18.7度を、最高気温は29.7度を記録した。このように一日の気温差が10度以上もなる環境で暮らすことになれば、1度は大したものではないような気がする。しかし、地球全体からみれば、1度が持つ意味は大きい。環境著述家のマーク・ライナスが書いた『6度の悪夢』によると、地球の平均大気温度が1度のみ上昇しても、米大平原を始めとした穀倉地帯は荒れ果て、さんご礁は崩壊し、南極と北極などの永久凍土層は解け、海面は上昇することになる。

◆地球温暖化が急速に進み、この1世紀の間、地球温度が0.7度上昇したというニュースは、だから衝撃的である。今後、地球の平均気温がどこまで上がるかを巡る予測は、学者ごとに異なる。もっとも権威の高い機関である気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は07年の第4次報告書の中で、温室効果ガスの排出を最小限に抑える場合、2100年までは1.10度上昇し、最大値で排出することになれば6.4度まで上昇すると見込んだ。

◆約7万年前、インドネシアの島での火山の大噴火を受け、大気圏が火山灰に覆われた時、気温が大幅に下がったことがある。この時、我々の先祖である現生人類の数は1万5000人から4万人の間に激減したと科学者らは見ている。最後の氷河期だった1万8000年前、地球の気温は今より6度低かった。米ニューヨークのセントラル・パークで見つかった氷河の痕跡が物語るように、この時、北米大陸はほとんど氷に覆われていた。これは温度が6度下がった時のことであり、逆に6度上昇することになれば、どのような出来事が起こるかは、科学者の推論の範囲を超える。

◆李明博(イ・ミョンバク)大統領も出席した先進主要8ヵ国(G8)の首脳会議で、参加国の首脳らは地球気温の上昇幅を、産業化時代前の100年前を基準に、2度以内に抑えることに合意した。しかし、拘束力がなく、どのようなやり方で温室効果ガスを減らすかを巡る行動計画は含まれていないという批判が出ている。温室効果ガスの排出責任を、なぜ発展途上国に転嫁するかと主張する中国やインドなどの反発も、未来を暗くさせている。ライナスによると、平均気温が2度上がれば、雨を伴うモンスーン気候の性格が変わり、超大型干ばつに見舞われ、夏ばてに疲れた老人らは水力発電所の稼動中止を受け、電気の止まった自宅で死んでいく。それでも「2度上昇」で止まることを喜ばなければならないのが現代人が置かれている現状である。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com