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[オピニオン]世論調査政治の姑息な手

Posted June. 30, 2009 08:13,   

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ビル・クリントン元大統領は、世論調査に最も依存した米大統領の一人にあげられる。クリントン元大統領は、毎週世論調査を注文し、深刻な政治論議がある時は、毎日夕方に世論調査を実施させたほどだった。政治原則よりも、大衆がどのような決定に賛成するかを知るために世論調査にこだわった。このため、「ロナルド・レーガンは、自分の信念を伝える方法を発見するために世論調査を使ったが、クリントンは、どのような信念を持つべきかを知るために世論調査を行なった」という話もある。

◆世論調査の結果が、韓国のように政治に甚大な影響力を及ぼす国も珍しい。02年の大統領選挙の時、民主党は大統領候補を世論調査という「賭け」で決めた。政党の公職候補の選出に世論調査の結果を反映する国も、韓国と台湾のほかには見られない。韓国の世論調査は、影響力に比べ調査結果の信頼度が非常に低い。特に、電話での調査は、電話帳の登載率が50%にすぎず、携帯電話だけを利用する人は調査の対象に含まれない。回答率も大変低く、結果を信じられないという専門家が多い。

◆メディア発展国民委員会の民主党側委員たちが今月20日に実施した「独自世論調査」の結果について、信頼性に問題が提起されている。19才以上の男女1000人を対象にしたという調査の回答率はわずか13.1%。回答者の43.4%は、メディア法案をよく知らないか、聞いたこともないという人だった。そのうえ、「大企業による世論掌握」、「新聞企業による世論独寡占」、「民主主義の基盤の弱体化」といった否定的表現が含まれた設問を前に配置した質問順序も、結果に影響を及ぼした可能性がある。この世論調査は、最初から偏った意図によって実施されたという指摘は避けがたい。

◆調査方法の問題とは別に、メディア法案のように複雑で専門知識が要求される政策を世論調査で決めるなら、多くの国会議員と専門家はなぜ必要なのか。国会無用論が出ても、民主党は言葉がないだろう。世論調査で政策を決めるのなら、京釜(キョンブ)高速道路も建設できなかっただろうし、清渓川(チョンゲチョン)も復元できなかった可能性が高い。総選挙を実施し、国会を構成しておいて、反対する立法に対しては事あるごとに世論調査で覆そうとする「民主主義」は先進国にはない。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com