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[オピニオン]出口戦略

Posted June. 25, 2009 09:06,   

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グローバル経済をどう見るべきかを巡り、楽観論と悲観論が激しく対立している。経済協力開発機構(OECD)は24日、今年の世界経済成長率を3ヵ月前の予想より0.5%高い、マイナス2.2%と見通した。一方、これより2日前、世界銀行は今年予測値を3月に発表したマイナス1.7%より1.2%低い、マイナス2.9%へと下方修正した。米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授など世界的に有名な経済学者らも、頻繁に見方を変えている。米コンサルタントのウィリアム・サーデンは彼の著書、「未来を売る人々」の中で、「権威ある専門家ら」による社会・経済的な予測がどれだけデタラメだったのか、数々の事例を紹介し、「予測を信じるよりいっそのこと、コインを投げなさい」と主張した。

◆欧州連合(EU)の27カ国の首脳らは今月19日、ベルギーのブリュッセルで開かれた定例会議で、「世界経済の持ち直しの兆しが見えており、出口戦略を検討すべき時期に来ている」という内容の声明を発表した。我が国も今年、一部の経済指標が好転すると、経済政策の出口戦略が必要だという主張が、一部から持ち上がった。しかし、最近、グローバル景気低迷の溝は、予想より深いだろうという分析が相次いでいる上、証券市場も再び不安定化しており、一般人は戸惑うばかりだ。

◆出口戦略とは、ある政策を選択後に予想される副作用を減らすため、そこから脱するための戦略を意味する。最近、議論されている出口戦略は、経済危機問題解決のため、各国が我先に供給した資金により、今後超インフレを招きかねず、通貨緊縮政策により、吸収すべきだという内容が柱となっている。かつて、海外に派兵された米軍や日本の自衛隊の出口戦略を準備すべきだという文章が、日米のメディアに掲載されるなど、外交政策においても、この言葉はたびたび登場している。

◆今後、いつかは政策転換が求められるだろうが、今のように、グローバル経済の不確実性が大きく、政治・社会的な変数まで経済を取り巻いている現状では、生半可な出口戦略を実施することは、得より損する可能性が高い。1997年、日本の橋本龍太郎内閣は、一部の経済指標が好転すると、「日本経済の不況は終わった」と宣言後、消費税率や金利引き上げに乗り出し、景気を冷え込ませ、財政負担を増大させた。先日、尹増鉉(ユン・ズンヒョン)企画財政部長官も語ったように、1匹のツバメを見たからといって、春を歌うのはまだ早い気がする。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com