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[オピニオン]標準語

Posted May. 29, 2009 05:58,   

한국어

金永𩒐(キム・ヨンラン)の詩、「ありゃ、紅葉だな」を標準語に変えてみよう。「まあ、紅葉ね」。胸に染みる趣のある味は消える。06年4月、ハン・セアム氏ら各地域の方言を研究する「テンマルの会」の会員5人が、「全羅道(チョンラド)テンマル」という本を出した。人が母親のお腹の中で学ぶ言葉が「テンマル」だ。彼らは、方言を「テンマル」に変えて発想の転換をしようと提案した。標準語が事務的な公用語なら、「テンマル」は自分が誰なのか、歴史と来歴を明らかにするため、大切に守らなければならないということだ。

◆標準語を「教養のある人々が使う現代のソウルの言葉」と規定するのは、憲法に反するとして、06年5月に憲法訴願を提起したのが、まさに「テンマルの会」だ。全国の小・中・高校生の父兄や学者など123人で構成されている。彼らは、「教科書の編纂と公文書の作成の時、標準語の規定などを守るようにすることは、地域語の使用を制限するだけでなく、地域に対する差別待遇だ」として、幸福追求権と平等権および教育権を侵害していると主張した。

◆28日、憲法裁判所が3年経って、この憲法訴願を全員一致で却下した。標準語を教養ある人々が使う現代のソウルの言葉と定義しただけでは、何の法的効果果もないため、個人の自由と権利を禁止するものではないと判断したのだ。ただ、金鍾大(キム・ジョンデ)、李東洽(イ・ドンフプ)裁判官は、「特定地域語を標準語と定めれば、その地域以外の地域の方言を使う人々は、言語生活に萎縮が生じる。各地域の言葉も、地域住民の歴史的・文化的・情緒的な創造物であるだけでなく、私たち皆の文化遺産だ」という反対意見を残した。

◆国立国語院長を務めた李サンギュ慶北(キョンブク)大学教授は、「韓民族間で広く疎通されている共通性が最も多い現代語」という「共通語」の概念で、国語の外縁を拡張させる必要があると述べた。新任の権在一(クォン・ジェイル)国語院長は、意思疎通の機能としての標準語と民族文化遺産としての方言の価値は、いずれも尊重されなければならないと強調した。憲法裁の決定は、教科書と公文書に限っている。文学作品や日常生活では、「ありゃ、紅葉だな」という表現で言葉を豊かにさせてもいいという意味だ。国語の多様性を生かすためにも、標準語の垣根の外にある言葉を集めて保全する必要があると国語学者たちは言う。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com