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[オピニオン]ストロー

Posted May. 12, 2009 03:18,   

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盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が、泰光(テグァン)実業元会長の朴淵次(パク・ヨンチャ)被告から、還暦のプレゼントとして1億ウォンのスイス高級腕時計「ピアジェ」を2つ受け取ったという事実が初めて報道された時、盧前大統領側は、「検察が道徳性に傷をつけようと意図的に流した」と非難した。すると検察は、当惑した反応を示した。最高検察庁中央捜査部の洪満杓(ホン・マンピョ)捜査企画官は、記者団に対し、「ストローを探し出す」と言い放った。600万ドル授受容疑を否定すれば「最後の武器」に使おうと考えていたが、ストローが先手を打ったという解釈も流れた。

◆国立国語院で発行した標準国語大辞典には、ストローは「水などを吸い上げるのに使う道具」と定義され、英語の「ストロー」(straw)に似た言葉だと説明されている。全羅南道(チョンラナムド)地方の方言では、「キセル」をストローと言う。捜査機関で、ストローをメディアに秘密情報を提供する人を意味する隠語として使うのは、飲み物がストローを通って外に出るように、情報が漏れる通路という意味のようだ。洪企画官は、「もし検察が流したなら、該当者は人間的にだめな人であり、悪いストローだ」と語った。

◆先週末には、最高検察庁中央捜査部に赤色、黄色、緑色など、多彩な色のストローが詰められた箱が送られ、検察を驚かせた。「ご苦労様です。捜査に役立ててください」というメモが入っていた。検察は、ストローのプレゼントを「激励」と受け止め、「捜査チームが飲み物を飲む時に使用している」と語った。もしかすると、「検察にストローがなぜそんなに多いのか」、あるいは「索出騒動をしたからといって、ストローがなくなるのか」という嘲弄の意味かもしれない。

◆米国のメディアは、秘密の取材源を「ディープ・スロート」(deep throat)と呼ぶ。ワシントンポストのボブ・ウッドワードとカール・バーンスタイン記者が、リチャード・ニクソン大統領のウォーター・ゲート事件に関する本を1974年に出版し、秘密情報を提供した取材源をディープ・スロートと初めて呼んだ。ディープ・スロートは、33年後の05年、マーク・フェルト元連邦捜査局(FBI)副局長だったと明らかにされた。記者は、フェルトが告白するまで秘密を守った。記者らは検察と違い、ストローが多いほどいい。大きな事件の捜査が進行すれば、公式発表だけでは読者の知りたいという欲求を十分に満たせないからだ。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com