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[社説]金融市場に追い風、実体経済の回復へとつなげるべきだ

[社説]金融市場に追い風、実体経済の回復へとつなげるべきだ

Posted May. 06, 2009 08:37,   

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国内金融市場に春風が吹くよう、株価の値上がりやウォン高ドル安が徐々に進んでいる。総合株価指数(コスピ)は一昨日1400ポイント台に迫り、グローバル金融危機の引き金となったリーマン・ブラザーズの破産(昨年9月)以前の水準まで回復した。今年の最安値だった3月3日よりは36.3%(372ポイント)、昨年10月24日の年中最安値よりは48.9%(459ポイント)も値上がりした。外国為替市場の不安も大幅に緩和され、2ヶ月前の1ドル=1570ウォン台まで高騰したウォン相場は1270ウォン台へと下落した。ウォン高ドル安の再度の上昇傾向があまりにも早いといわれるほどだ。

株価の上昇は経済全般に前向きな効果を及ぼすことになる。企業価値や財務構造、資金調達の環境が改善され、投資家らの消費心理ももどってくる。短期間での高騰に伴う負担はあるものの、国際収支の黒字に続き、我が経済の危機からの脱出に向けた青信号である。海外証券市場も韓国ほど回復のスピードは早くないものの、最近上昇ぶりを示しており、「一人だけの躍進」に伴う負担も減った。

金融市場の安定は、韓国の景気回復への期待のため、外国人を中心に投資心理がもどってきたことに負うところが大きい。輸出に多くを頼っている国内の大手企業各社はこれまで、ウォン安ドル高の効果に、新規市場の開拓努力まで加わり善戦した。米バークシャー・ハザウェイのウォーレン・バフェット会長は、韓国経済、とりわけ主要製造会社の競争力を高く評価し、追加の投資意思を明らかにした。過度に反応することはないが、韓国経済が海外発の変数によって大きく左右される現状において、その意味を過小評価することもない。

金融市場とは異なり、消費や投資、雇用など実体経済はまだ冬眠から目を覚ますことができずにいる。金融分野に広がり始めたぬくもりを、実体分野へと拡大させるのが重要な課題となっている。政府は、補正予算の実施や規制緩和を急ぎ、未来の競争力と直結する構造調整に拍車をかけなければならない。輸出におけるウォン安ドル高の効果が弱まる中、競争力を維持するためには技術や品質競争力の強化、労使関係の安定がさらに切に求められる。

経済が本格的な回復軌道に乗るためには、政治や社会的な追い風も吹かなければならない。与野党は政略的な短見で、政治的な争いばかりせず、投資や消費、雇用、新たなビジネス機会などの創出に役立つ立法活動に膝を交えなければならない。過度な楽観は禁物だが、各界の国民も政治的な目的のため、経済的、社会的な不安を誇張して扇動する勢力に振り回されることがあってはならない。昨年や今年だけでも一部の勢力は、機会さえあれば怪談レベルの危機説を拡散させたが、事実とは異なった。