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[オピニオン]ルーシー

Posted May. 05, 2009 06:15,   

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米国の古人類学者のドナルド・ジョハンソン博士は、1974年11月24日、エチオピア・ハダールで発掘作業中、半分ぐらいが壊れた頭蓋骨とお尻の骨を発見した。お尻の骨から見て女性と思われる原始人類の化石だった。ジョハンソン博士はこの遺骨を発掘した際、テントの中から流れていたビートルズの歌「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(Lucy in the sky with Diamonds)」を聞いて、この遺骨を「ルーシー」と名づけた。これが320万年前に登場したアウストラロピテクスだ.

◆04年、科学者らは地球から50光年離れたところから、地球の8分の1大のダイアモンドから成る惑星を発見したと発表した。この惑星は、死にかけている白色矮星で、重い重力で高温・高圧のため炭素の原子配列が変わり、ダイアモンドになった。学者らは、「空のダイアモンド」のこの星にもルーシーという名前を付けた。ビートルズの歌が輪になって、全く関係のない星と化石が同じ名前を持つようになったわけだ。

◆化石のルーシーは、人類の起源を説く端緒を提供した。身長1メートル前後のルーシーは、あごが突出し、額は後ろへ平らな形をしているため、猿と似たような姿だったが、脳の容量が猿より大きかった。猿のように木に登ることができ、両足で歩くこともできた。1871年、チャールズ・ダーウィンは自分の著書「人類の起源と性に関連する淘汰」で、アフリカが全ての人類の故郷だと主張した。ルーシーが発見されると、チンパンジーの祖先と現生の人類をつなぐ「失われた輪」が、果たしてこの種なのかを巡り、激しい論争が行われた。

◆ルーシーの発見者であるジョハンソン・アリゾナ州立大学教授(66)が開校60周年を迎えた慶煕(キョンヒ)大学が国連経済社会局と共同開催する世界市民フォーラムに参加のため、韓国入りした。ジョハンソン教授は昨日、慶煕大で開かれた特別講演で、「ルーシーより古い化石が発見され、ルーシーが人類の直系の祖先だった可能性は少なくなったが、人類の進化の系譜で重要な存在であることは間違いない」と述べた。ダーウィンの進化論は、生物の神秘を多く解いているが、現生人類の起源については、まだ十分に明らかになったとは言えない。古人類学者らの想像力を借り、人類進化の秘密を解くためには、第2、第3のルーシーが発見されることを待つしかないだろうか。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com